しがない転生魔族のスローライフ~人生に飽きたので暇つぶしに不幸な子供を救うことにした~

ある世界に一人の魔族がいた。
名前はゼフィルス、年齢は四百歳以上で元日本人の転生者である。

魔族が人間を殺しまくるせいで、ゼフィルスまでもが恐怖と憎悪の対象だった。
最初は友好を試みていたが、いつしか無理だと悟って諦めた。

今では無人島を自分好みにカスタマイズしてのんびりと暮らしている。
穏やかな暮らしは好きだが、独りなので寂しい。

ある時、一人の奇妙な少女と出会い彼はあることを思いつく。
それは、身寄りのない不幸な人間の子供を引き取り、生きていく術を教え、記憶を消して再び人間の街に戻すということだった。
例え記憶を消しても学んだことは覚えている。
魔術、剣術、学問etc.
ゼフィルスにとっては簡単なことだ。

こうすることで子供にもゼフィルスにもメリットがある。
だが、偽善だ。
寂しさを埋める道具でしかない。

そう思いながらゼフィルスは世界を眺めるのだった。
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