俺たち終戦四人組ー太平洋戦争を終結に導いた官僚たちの戦いー
「この戦争は、もう勝てない」
昭和十八年。
陸軍参謀本部の中で、その現実を直視していた男がいた。
松谷誠、陸軍大佐。
英米の国力を知り、補給と物量を重視する異端の幕僚。
敗北を口にすることさえ許されない軍中央で、彼は密かに終戦への研究を始める。
やがて彼のもとに、外務省の加瀬俊一、宮中の松平康昌、海軍の高木惣吉がつながっていく。
陸、海、外、内
交わるはずのなかった四人の官僚たち。
【陸】悲観論を恐れず和平案を練り続ける陸軍大佐・松谷誠。
【海】海軍大臣の特命で海軍を善導し、活路を探る海軍少将・高木惣吉。
【外】外務大臣の傍らで外交の道を拓く外相秘書官・加瀬俊一。
【内】天皇の御意向を汲み、宮中から静かに策を巡らす内大臣秘書官長・松平康昌。
彼らの敵は、連合国だけではない。
徹底抗戦を叫ぶ軍部。
和平派を監視する憲兵。
敗北を認められない国家の空気そのもの。
どう勝つかではない。
どう終わらせ、日本を残すか。
【作品について】
この物語は公式記録、専門家の分析、関係者の証言を基に構成しています。なお、なるべく忠実をベースとしてますが、演出上、筆者の創作箇所や小説用に再構成している箇所もありますのであらかじめご承知おきの上お読みください。
※執筆に先立ち、熊本県人吉市の「高木惣吉記念館」にて、四人組の一人である高木惣吉氏のご遺族の方に長時間の取材と貴重な史料のご提供を頂きました。ご協力に心より感謝申し上げます。
昭和十八年。
陸軍参謀本部の中で、その現実を直視していた男がいた。
松谷誠、陸軍大佐。
英米の国力を知り、補給と物量を重視する異端の幕僚。
敗北を口にすることさえ許されない軍中央で、彼は密かに終戦への研究を始める。
やがて彼のもとに、外務省の加瀬俊一、宮中の松平康昌、海軍の高木惣吉がつながっていく。
陸、海、外、内
交わるはずのなかった四人の官僚たち。
【陸】悲観論を恐れず和平案を練り続ける陸軍大佐・松谷誠。
【海】海軍大臣の特命で海軍を善導し、活路を探る海軍少将・高木惣吉。
【外】外務大臣の傍らで外交の道を拓く外相秘書官・加瀬俊一。
【内】天皇の御意向を汲み、宮中から静かに策を巡らす内大臣秘書官長・松平康昌。
彼らの敵は、連合国だけではない。
徹底抗戦を叫ぶ軍部。
和平派を監視する憲兵。
敗北を認められない国家の空気そのもの。
どう勝つかではない。
どう終わらせ、日本を残すか。
【作品について】
この物語は公式記録、専門家の分析、関係者の証言を基に構成しています。なお、なるべく忠実をベースとしてますが、演出上、筆者の創作箇所や小説用に再構成している箇所もありますのであらかじめご承知おきの上お読みください。
※執筆に先立ち、熊本県人吉市の「高木惣吉記念館」にて、四人組の一人である高木惣吉氏のご遺族の方に長時間の取材と貴重な史料のご提供を頂きました。ご協力に心より感謝申し上げます。
4件
「組織人として学ぶことが多い」
組織内で少数意見を貫くことの難しさと重要性。松谷が東條に直言した時、後の左遷について、「それでも言わなきゃならない責任感」が感じられる。現代のビジネスパーソンにも響く教訓だと思う。
権力構造の複雑さ。陸軍内部の派閥、陸海軍の対立、天皇との関係、外交的な制約……これらが絡み合う中で、どうやって国を動かすのか。この政治的リアリティが、創作ではなく史実だというのが凄い。
松谷と加瀬の友情が、単なる感情的な絆ではなく、「情報交換」「相互サポート」「人脈形成」という実務的な側面と結びついている。これは現代の人間関係にも通じる。
四人組が正式に結成されるまでの「助走期間」の描き方が秀逸。信頼を積み重ねるプロセスの重要性を感じさせられます。
敗戦という国家的危機の中で、「いかに負けるか」という視点が興味深い。近代日本において、これほど現実的で柔軟な思考を示した人物たちがいたのか。歴史観が変わります。
黒子に徹する松谷や高木のあり方を見ると、現代の「目立つリーダーシップ」論とは違う、別の種類の指導力を感じさせられる。
ミュート中です
解除
4件
あなたにおすすめの小説
近江の山奥から始める近代国家建設 外伝 〜美濃の蝮と呼ばれた男〜
後に「美濃の蝮」と呼ばれる男、斎藤道三。
その始まりは、山城の武家に生まれた一人の少年、峰丸だった。
父に導かれて寺へ入り、法蓮房と名乗った少年は、やがて自ら寺を出て、松波庄五郎として生きる道を選ぶ。
頼れるものは、学んだことと、己の才覚。
油を売り、人の懐へ入り、武士の世界へ足を踏み入れる。
名を変え、立場を変え、味方も敵も利用しながら、美濃一国の主へとのし上がっていく。
だが、国を奪った男を待っていたのは、息子との争いと、すべてを失う戦だった。
その運命が交わる先にいたのは、近江の山奥から領地を育て、戦国そのものを終わらせようとする橘の若き領主。
一人は、戦国の世を変えようとする男。
一人は、戦国の世を生き抜いてきた男。
『近江の山奥から始める近代国家建設』外伝。
峰丸から斎藤道三へ。そして橘家へたどり着くまでを描く、全十二話の国盗りと再出発の物語。
不屈の葵
戦国乱世、不屈の魂が未来を掴む!
これは三河の弱小国主から天下人へ、不屈の精神で戦国を駆け抜けた男の壮大な物語。
幾多の戦乱を生き抜き、不屈の精神で三河の弱小国衆から天下統一を成し遂げた男、徳川家康。
本作は家康の幼少期から晩年までを壮大なスケールで描き、戦国時代の激動と一人の男の成長物語を鮮やかに描く。
家康の苦悩、決断、そして成功と失敗。様々な人間ドラマを通して、人生とは何かを問いかける。
今川義元、織田信長、羽柴秀吉、武田信玄――家康の波乱万丈な人生を彩る個性豊かな名将たちも続々と登場。
家康との関わりを通して、彼らの生き様も鮮やかに描かれる。
笑いあり、涙ありの壮大なスケールで描く、単なる英雄譚ではなく、一人の人間として苦悩し、成長していく家康の姿を描いた壮大な歴史小説。
戦国時代の風雲児たちの活躍、人間ドラマ、そして家康の不屈の精神が、読者を戦国時代に誘う。
愛、友情、そして裏切り…戦国時代に渦巻く人間ドラマにも要注目!
歴史ファン必読の感動と興奮が止まらない歴史小説『不屈の葵』
ぜひ、手に取って、戦国時代の熱き息吹を感じてください!
四方の海
歴史IF小説ですが、超人間や超兵器は出てきません。あくまでも歴史上実在した兵器を使って歴史をどう変えることができるのかを試みた小説です。架空の人物は、大瀬良一と広瀬 航。
この作品は2部構成です。
前半は史実に沿って、なぜ日本は戦争へ入っていったのかを陸軍を中心に描いています。
44話から、主人公「大瀬良一」が登場して、新たな日本の戦いを描いていきます。歴史を深く知りたい人は初めから、開戦までの流れを知っている方は44話からお読みください。
第一部 1話〜43話
1941年12月、日本は真珠湾攻撃によってアメリカとの戦争に突入した。華々しい戦果に国中が沸き立つ中、陸軍の異端児・大瀬良一だけは勝利の先にある国家の破滅を見据えていた。圧倒的な工業力と資源を持つアメリカとの長期戦は、日本の敗北に終わる――
第二部 44話から〜
1942年1月、田中新一失脚の余波の中で参謀部長に抜擢された大瀬は、石原莞爾と連携し、陸海軍の統合運用、編、科学技術重視への転換を推進する。同時に南方占領地では、単なる軍事支配ではなく将来的な独立を見据えた新秩序の構築を模索し始める。
戦線が拡大する中、大瀬は日本が生き残るための国家戦略を練り上げ、1942年3月、帝国の進むべき道を問う一大構想を動かし始める。これは戦争に勝つためではなく、日本という国家を未来へ存続させるための戦いの始まりであった。
四代目 豊臣秀勝
アルファポリス第5回歴史時代小説大賞参加作です。
読者賞を狙っていますので、アルファポリスで投票とお気に入り登録してくださると助かります。
史実で三木城合戦前後で夭折した木下与一郎が生き延びた。
秀吉の最年長の甥であり、秀長の嫡男・与一郎が生き延びた豊臣家が辿る歴史はどう言うモノになるのか。
小牧長久手で秀吉は勝てるのか?
朝日姫は徳川家康の嫁ぐのか?
朝鮮征伐は行われるのか?
秀頼は生まれるのか。
秀次が後継者に指名され切腹させられるのか?
【完結】『謀反人の汚名を着た武田信玄 ~残された秘策と隠された忠義~』
元亀四年、病で倒れたとされる武田信玄は生きていた。天下の行く末を憂う彼は、あえて「謀反人」の汚名を着て影で活動する。その真意を探る密命を受けた若き忍び・疾風の小太郎は、信玄が残した「秘策」を求め、旅に出る。
各地で出会う仲間たち、そして織田信長の放つ刺客との死闘の中で、小太郎は信玄の壮大な計画の全貌に迫っていく。それは、武力による統一ではなく、人の心を繋ぎ、古き良き日本の魂を取り戻すための、深謀遠慮の策だった。
信玄の真の忠義が試される時、歴史は大きく動き出す。これは、影で天下を動かした男と、その志を継ぐ若者が織りなす、感動と成長の戦国絵巻である。
太平洋の夢 第二巻 「海洋国家宣言」
【連載中】火・木・土・朝6時更新。(全20話)
国際連盟脱退を回避した日本。外交官・黒瀬の砲声のない戦争が始まる。
一九三三年、ジュネーブ。
日本は国際社会から孤立へ向かうはずだった。
その流れを変えようと、外交官・黒瀬誠一郎が書いた四つの提案が世界に示される。
ハワイの共同統治。
樺太の移譲と、ユダヤ民族のための新国家。
南洋委任統治への国際監視。
そして、北海道におけるアイヌ自治区。
だが、一枚の紙を書けば歴史が変わるほど、世界は単純ではない。
四つの提案は、それぞれ別々の机に置かれる。
アメリカは太平洋の将来を計算し、ソ連は樺太を値踏みする。海軍は石油と安全保障を考え、政治家たちは自らの立場と未来を見つめる。新聞は世論を動かし、ヨーロッパでは迫害を逃れた人々が、新たな行き先を求め始める。
黒瀬が描いた設計図は、誰かがそのまま実行するものではなかった。
松岡洋右は自分の外交として語り、堀悌吉は海軍の論理に置き換え、近衛文麿は別の時代を見据えて言葉を借りる。ミリアムは、国家の枠を越えて人と人を結ぶ。ソ連も、アメリカも、それぞれの利益のために紙を読み替えていく。
そして八年の歳月が流れる。
日本は大陸への関与を続け、世界ではドイツが膨張し、ヨーロッパで戦争が始まる。ベルリンでは硝子が砕け、十二万人が海と大陸を越えて樺太を目指し始める。アメリカとの緊張は次第に高まり、石油禁輸によって、日本の選択肢は急速に狭まっていく。
机上では、若い研究員たちが日本の戦争の結末を数字で予測していた。
海では、空母を中心とする大艦隊が出撃の時を待っていた。
一九四一年十二月。
ワシントンと東京、それぞれの机の上で、最後の交渉が始まる。
積み重ねられてきた紙。
その一枚一枚に記された判断。
そして、それを読む人間たちの思惑。
歴史は、一人の英雄の手で変わるのか。
それとも、人から人へ渡された小さな選択の連鎖が、巨大な流れそのものを変えてしまうのか。
『太平洋の夢』第二巻「海洋国家宣言」。
八年にわたる、外交と政治と人間の選択の果てに、太平洋はかつてない一日を迎える。
武田義信は謀略で天下取りを始めるようです ~信玄「今川攻めを命じたはずの義信が、勝手に徳川を攻めてるんだが???」~
桶狭間の戦いで今川義元が戦死すると、武田家は外交方針の転換を余儀なくされた。
今川との婚姻を破棄して駿河侵攻を主張する信玄に、義信は待ったをかけた。
義信「此度の侵攻、それがしにお任せください!」
領地を貰うとすぐさま侵攻を始める義信。しかし、信玄の思惑とは別に義信が攻めたのは徳川領、三河だった。
信玄「ちょっ、なにやってるの!?!?!?」
信玄の意に反して、突如始まった対徳川戦。義信は持ち前の奇策と野蛮さで織田・徳川の討伐に乗り出すのだった。
かくして、武田義信の敵討ちが幕を開けるのだった。
ログインすると感想の投稿ができます。