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03.イン・ポスター
潜入編
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学園に送って貰ったぼくたちは、どうにか中に潜り込むことが出来た。
(何故か一つ開けてあった窓があったのも運がいい)
今居るのは、
なんか天井が高く、聖堂にでも続きそうな妙に落ち着いた雰囲気の廊下。
一見学校じゃないみたいだけれど掲示板があったり、投票箱があったり、黒板があったりするので学校生活そのものはあまり中学と変わらない印象を受ける。
「本当に……城なんだな」
そんな場合ではないけど、なんだか文化遺産の観光に来てるみたいだ。
ぼくが関心している横で、まつりは「そりゃそうでしょ、さっき言ったし」と呆れている。
「屋敷の中みたいで、落ち着くな」と嬉しそうだ。
屋敷の中は、こんな風だったのか。
いつも庭くらいしか行ったことが無いから知らなかった。
別に入りたいわけでは無かったが、まつりはそういえば一度だって、中には入れようとしなかった。
「理事長室、探さないとね」
ただニコニコ笑って、何かから遠ざけるみたいにするだけだ。
「えへへ……」
いや、今はぼくの女装に喜んでいるのか。
そういえば、確かメイクの仕上げをされているとき、二人が話をしていたのが聞こえた。
――――あれは面白かった。しかもあの人老け顔だからさ、屋敷から帰ってくるなり、どうにかメイクで十代に見えるようにしてくれって言われて
――――ヒロシさんそのとき何歳?
まつりが何気なく聞くと、彼女もすぐに答えた。
――――十代
――――十代!? じゃ、十代で借金
――――そ、十代で借金。出し抜くのに必死だわね
「屋敷から帰るなり十代で借金で女装するヒロシさん」が何者なのか気になって仕方が無い。
「あ、そうだなんと! 今、夏々都が身につけてる下着は、まつりが選んだよ」
「うるせえセクシャルハラスメント」
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