短編「におい」

最近、原因の分からない体臭に悩む主人公。風呂や衣服を変えても消えず、においは外ではなく体の内側から立ち上るように感じられる。やがて電車や日常の中で、周囲の人がわずかに距離を取る違和感に気づく。帰宅後もにおいは濃くなるばかりで、鏡に映る自分にもどこかズレを覚える。夜、布団の中でその正体に気づいたとき、主人公は初めて“自分の体”を客観的に見ることになる。においの正体と、見えている自分の存在が交差した瞬間、日常は静かに裏返る。
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