[完結]夜に触れる


放課後になると、奏太は旧校舎へと足を運ぶ。
誰もいないはずのその場所には、
なぜかいつも、ひとりの生徒が待っていた。

冷たさすら感じる神聖な階段の踊り場で、穏やかに微笑んで手招きするその少年の隣りは酷く心地がいい。
寄り添い座って、指を絡める。それだけでも心は豊かになった。

大きな窓から見える月夜を眺めて、静かに過ごすだけの時間。


その時間が、少しずつ変わっていく。


心を寄せて思い合い、指先を絡める優しい時間は、不安と悲しみに彩られていく。


これは、出会うはずのなかったふたりの、静かに燃えるような、青春の記録。

8月中に完結します。
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