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やっぱり俺の家族です!
しおりを挟むお母さんの温もりを感じたふわふわでもふもふでそして、あたたかい。やっぱり俺のお母さんだなと幼い俺は思った。
「血が繋がっていなくても猫太はわたしの息子だよ」
お母さんはそう言ってもふもふのその手で俺をぎゅーっと抱きしめてくれた。
俺は嬉しくて泣きそうになった。いや、泣いてしまった。涙がぽろぽろこぼれた。もふもふの柔らかい温もりに包まれて俺は幸せだった。お母さんの胸に顔をぎゅっとくっつけると優しい匂いがした。
「俺も猫太のことを息子だと思っているぞ!」
お父さんはそう言ってもふもふのその手で俺の頭を撫でてくれた。柔らかいお父さんの手から優しい父の温もりを感じた。
「俺も血が繋がっていなくてもお父さんとお母さんだと思っているよ」
俺は涙を流しながら笑った。とても幸せだった。
それと、姉のみい子も俺達をじっと眺めていた。
そして。
「わ、わたしもあんたを弟だと思っているにゃん」と膨れっ面のような表情で言った。
「みい子ちゃんは俺のお姉ちゃんだよ」
俺は涙を手の甲で拭い満面の笑みを浮かべた。
この日俺は改めてみんなと家族になれたと思った。人間でも猫でもなんでもかまわない。愛と思いやりがあればそれでいいのだ。
「お父さん、お母さん、みい子お姉ちゃん、これからもずっと家族でいてね」
「もちろんだよ。猫太は俺の大切な息子なんだからな。これからも一緒に風呂に入ろうな」
お父さんはニヤリといたずらっぽい笑顔を浮かべて言った。
「そうよ、猫太はわたしの大切な息子よ。これからもわたしの作った料理を美味しいと言って食べてね」
お母さんは柔らかい笑みを浮かべた。
「猫太、わたしもあんたを弟だと思っているにゃん。これからもほっぺたをつねったり回し蹴りをしてあげるにゃん!」
お姉ちゃんは口は悪いし素直じゃないけれど、本当は優しいってことを俺は知っているよ。
「ありがとう! お父さん、お母さん、みい子お姉ちゃん」
俺は涙腺が緩み涙をぽろぽろこぼしながら笑った。
やっぱりみんなは俺の家族です。
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