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どうして
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どうして前世のお母さんの声が聞こえてくるのだろうか?
『そっちの生活は幸せかい?』
この声はやっぱり前世のお母さんの声だ。俺は前世に何か落とし物でもしたのだろうか?
でも、俺は百年間の人生を生き抜いたのではなかったのか。そうだったはずだけど思い出せないよ。
「ねえ、母さん、俺は……」
「やっぱり今日の猫太は変よ。母さんってわたしのことじゃないよね」
現世のもふもふ猫のお母さんが俺の顔を心配そうに覗き込みながら言った。
「あ、いや、お母さん大丈夫だよ~」
俺はにっこりと笑顔を作ってみせた。
「そう、それだったらいいけど何かあったら言ってよね」
「うん、ありがとう。分かったよ。あ~お腹が空いたよ。夕飯まだかな?」
「あら、そうだったわね。チャーハンに餃子もたくさん作るからモリモリ食べるのよ~」
そう言って笑うお母さんの顔はやっぱりキュートだった。
「うん、モリモリ食べるぞ~餃子十個は食べられるかな」
「うふふ、分かった~餃子たくさん焼くから待っていなさいね」
お母さんは調理台に向き直り、ふんふんと鼻歌を歌いながら料理を再開した。
良し、たくさん食べるぞ。人間が緑町にいると分かったから前世のことを思い出したのかもしれないな。
きっと、そうだ。前世も気になるけれど今を生きなくてはね。
『そっちの生活は幸せかい?』
この声はやっぱり前世のお母さんの声だ。俺は前世に何か落とし物でもしたのだろうか?
でも、俺は百年間の人生を生き抜いたのではなかったのか。そうだったはずだけど思い出せないよ。
「ねえ、母さん、俺は……」
「やっぱり今日の猫太は変よ。母さんってわたしのことじゃないよね」
現世のもふもふ猫のお母さんが俺の顔を心配そうに覗き込みながら言った。
「あ、いや、お母さん大丈夫だよ~」
俺はにっこりと笑顔を作ってみせた。
「そう、それだったらいいけど何かあったら言ってよね」
「うん、ありがとう。分かったよ。あ~お腹が空いたよ。夕飯まだかな?」
「あら、そうだったわね。チャーハンに餃子もたくさん作るからモリモリ食べるのよ~」
そう言って笑うお母さんの顔はやっぱりキュートだった。
「うん、モリモリ食べるぞ~餃子十個は食べられるかな」
「うふふ、分かった~餃子たくさん焼くから待っていなさいね」
お母さんは調理台に向き直り、ふんふんと鼻歌を歌いながら料理を再開した。
良し、たくさん食べるぞ。人間が緑町にいると分かったから前世のことを思い出したのかもしれないな。
きっと、そうだ。前世も気になるけれど今を生きなくてはね。
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