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賑やかな食卓ですよ
しおりを挟むお姉ちゃんは、思った通りグラタンを美味しそうに食べている。
「う~ん、このグラタン美味しいよ。こんがり焼けたチーズは香ばしくて、中身はとろ~りホワイトソースとマカロニがよく合っていて最高だね」
お姉ちゃんは、はふはふしながらグラタンを口に運ぶ。人が(猫)幸せそうに食事をしている姿を眺めているとなんだかこっちまで元気になれる。
「うん? 猫太はグラタン食べたんでしょ。まだ、食べたいの?」
お姉ちゃんがグラタンを口に運びながら聞いてきた。
「いや、食べたいなんてそんなことないよ。俺には果物があるしさ」
俺はお皿に盛られたぶどうに手を伸ばして言った。ぶどうを口に運び食べた。
ぶどうはジューシーで甘酸っぱくてとても美味しかった。
「猫太のぶどうも~らい!」
お姉ちゃんはそう言って俺のお皿に手を伸ばしぶどうを口に放り込んだ。
「おい、お姉ちゃん、どうして俺のぶどうを食べるんだよ!」
「だって、ぶどうが食べてくださいって言ったんだもん」
「言うわけないだろう」
お姉ちゃんは、幸せそうにぶどうを食べている。俺の周りにいる奴はどうしてこうも食いしん坊なんだろうかと思う。俺も含めてだけど。
「みい子のぶどうもちゃんとあるのにね」
お母さんは、もふもふの肉球のあるその手を口元に当ててクスクスと笑った。
「だって、猫太のぶどうが美味しそうに見えたんだもん!」
お姉ちゃんはまたまた、俺のお皿からぶどうを取り口に運んだ。
「う~ん、これは美味しい」
だって、とんでもないお姉ちゃんだよ。
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