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「魔法もダメ!聖剣士もダメ!なんで!」 そんなラースの反応にムームも困った様子でラースをなだめ始めた。 「はぁ…ラース。魔法は…そう、魔法なら今すぐは無理だけど、後でなんとかなるよ。でも、聖剣士だなんて、それは不可能だよ」 話し方だけが柔らかくなっただけで結論は少しも変わらない。 ムームは空言でも嘘をつかない。 無理もない、不可能。 多分、ムーム以外の誰も同じ答えをするだろう。 なぜなら、それがこの世の本質であり真理だからだ。 「不可能?どうして?」 「どうしてだって?ふぅ…」 泣きそうな反応なら心が弱くなるのも当然だが、ムームは長いため息と共に呆れるようにラースに向かって一のページを広げて差し出した。 「だって、ラース、お前…」 そして、きちんと現実をゆっくり読んでくれた。 「デュラハンだろ」 ムームが広げたページ。 そこにはラースのように頭のない亡者一つが聖剣王の剣に体が両端される姿が描かれていた。
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文字数 18,274 最終更新日 2022.11.08 登録日 2022.11.06
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