茶の湯小説一覧

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戦国時代、近畿には、どの大名からの支配も拒絶する、堺と呼ばれる商業都市があった。
将軍を奉じて上洛した織田信長が、その堺に対して、矢銭(軍用金)二万貫と言う大金を要求した。
文字数 10,123
最終更新日 2025.05.30
登録日 2025.05.23
あらすじ
明の朝廷の下級役人・鄭建は、宰相による皇子の殺害を目撃してしまったために追われる身となり、家族を皆殺しにされて日本に逃亡した。
逃亡先の京都で焼き物作りを始め、妻子を得て新たな人生を送るようになる。
その一子、長次郎は天下一の茶人、千利休に感化されて茶碗作りに天賦の才を開花させる。
千利休は長次郎の茶碗を「今焼茶碗」と称し、諸大名、貴顕、富豪に高額で売りさばき長次郎にも多くの富がもたらせる。
しかし、長次郎は自由な創作を千利休に禁じられ、その鬱憤から遊女にのめり込み、やがて過度の飲酒で心身を壊して亡くなる。
残された長次郎の妻りゆ、は幾多の苦難を重ねながら家を支え、兄の協力を得て後代に続く楽茶碗の名流、「楽家」を遺すのだった。
文字数 34,533
最終更新日 2025.03.29
登録日 2025.03.29
堺の豪商の津田宗及は朝鮮・釜山浦近くの窯に茶碗を注文し、数寄の目利きの千宗易と今井宗久に披露する。今井宗久はその茶碗をすべて買い取り、幻の井戸茶碗と偽って莫大な金を稼いだ。
井戸茶碗は茶の湯の名物茶碗として世に普く知られるようになり、利休と秀吉、古田織部と家康、小堀遠州と徳川家光との物語を紡ぎながら茶の湯の歴史を織りなしていく。
元は朝鮮の民衆が使う雑器から始まった井戸茶碗が、天下の名物として巨額の金銭価値を与えられ悲喜劇を生み出していく
文字数 8,192
最終更新日 2025.03.28
登録日 2025.03.27
【あらすじ】
(繋ぐ糸の色を教えて ~紹鴎~)
「利休の師」とされる武野紹鴎。そんな彼の茶の湯は、名物をつかった茶の湯を好み、「わび茶」ではなかったという説がある。弟子も、「一の弟子」は辻玄裁という豪商であり、利休ではない。では、なぜ紹鴎が、珠光に始まる「わび茶」を、千利休に伝えたとされるのか。拙作はそれについての、ひとつの想像である。
(六花とけて、君よ来い)
応仁の乱という戦乱がようやくに収束の方向を見せる中、足利義政は東山山荘(のちの銀閣)を作ろうと考えていた。銀箔を用いた銀閣という、北山の金閣の対となる存在を作るのではないか――人々はそうささやく。そのささやきと、己の美について考えの中、迷い悩む義政。そんな義政に、一休からの誘いがあった。
【表紙画像】
「ぐったりにゃんこのホームページ」様より)
文字数 11,906
最終更新日 2024.06.02
登録日 2023.05.31
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