夫の本心 小説一覧

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アデレイドの胸三寸

アデレイドの、ロジャーに対する印象はお世辞にもよいものではなかった。 明るい金色の髪は、アデレイドと婚約してから伸ばしているようで、一年の間に肩を越えている。 もう少し長ければ、髪を結うリボンを贈ることもできるのだろうが、それ程の長さには至っていない。 そういうアデレイドの黒髪には、前回の茶会の際に贈られたエメラルドの髪飾りが着けられて、それはロジャーの瞳と同じ色だった。 婚礼を一年後に控えた春の庭園で、ロジャーは婚約者であるアデレイドに言った。 「当家の事業にも、私の執務にも、口出しも興味も関心も無用だよ」 帰宅するロジャーを見送ると、 「なんと失礼なことを仰るのでしょう」 後ろに控えていた侍女のセルマが、アデレイドの胸の内を代弁してくれた。 ❇こちらの作品は、カクヨム様でも公開致しております。 ❇誤字脱字によるお目汚しがございましたら申し訳ございません。公開後に度々修正が入ります。間を置いてお楽しみ下さいませ。 ❇登場人物のお名前が他作品とダダ被りする場合がございます。皆様別人でございます。 ❇100%妄想の産物です。妄想なので史実とは異なっております。
恋愛 連載中 短編
文字数 35,465 最終更新日 2026.06.03 登録日 2026.05.20
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死に戻ってはみたけれど

ヒルデガルドは思った。 今の自分は、ヒルデガルド・へスティング・ラドモンド。多分。 多分というのは、つい数刻前、夜が明ける前までは、別の名であったから。 一番新しい記憶では、ヒルデガルド・ウォール・ロングフォール。ロングフォール侯爵夫人と呼ばれていた。 ヒルデガルドは夕べまで、正確には三日前まで夫だった男性を思い浮かべた。 クリスフォード・ウォール・ロングフォール。三日前まで、ロングフォール侯爵家当主だった。 享年四十一歳。 昨日は、夫の弔いの日だった。 ヒルデガルドはどうやら、夫の葬儀を終えたその夜に、自分もまた命を終えたらしい。 命の幕を閉じる直前に、ヒルデガルドは神に祈った。 ヒルデガルドには後悔があった。 「後悔することが二つございますの。まず一つは、夫の妻になったことです。あの方それで、愛する女性を長いこと妾にするしかなかったのです。ですから、ダメ元でお願いしてみたいのですけど、」 「死に戻っても良いかしら」 果たして神は、ヒルデガルドの願いを叶えた。 ❇こちらの作品は、他サイトへ別名義にて公開しております。 ❇鬼の誤字脱字を修復すべく公開後に激しい修正が入ります。 「間を置いて二度美味しい」とご笑覧下さいませ。 ❇登場人物のお名前が他作品とダダ被りする場合がございます。皆様別人でございます。 ❇100%妄想の産物です。妄想なので史実とは異なっております。 ❇妄想遠泳の果てに波打ち際に打ち上げられた妄想スイマーによる寝物語です。 疲れたお心とお身体を妄想で癒やして頂けますと泳ぎ甲斐があります。 ❇座右の銘は「知らないことは書けない」「嘘をつくなら最後まで」
恋愛 完結 長編 R15
文字数 100,419 最終更新日 2025.08.31 登録日 2025.08.11
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