工事 小説一覧

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ゾンビ発生の7日前に戻った内装屋の俺は、タワマンも別荘も捨てて、建設中の冷凍倉庫に家族と猫と犬で立てこもった

6月20日、13時58分。現場に停めた車の中で、俺は首の痛みと一緒に目を覚ました。 6月27日にゾンビが出て、9月25日に俺が噛まれる。その三か月を日付つきで覚えたまま、7日前に戻っていた。 5分後に鳴るはずの元請けの電話は、14時03分に鳴った。 銀行員の妻は、それでも「ドラマの脚本だって、誰かが作った話でしょ」と簡単には転ばない。俺が証拠に差し出したのは、このあと義母からかかってくる二本の電話だ。 どこに籠るか。掲示板のサバイバルスレは、タワマンか別荘ばかりだった。 けれど内装屋の俺は知っている。水が止まった高層階でトイレを流せば、下の誰かに居場所が知れる。別荘の窓は、枠ごと外せる。 妻が推すのは「うちの銀行の金庫」。義父の返事は「中に入った物を食い尽くしたら終わりだぞ」。 俺が選んだのは、いま自分が内装を請けている、工事の止まった5階建ての冷凍倉庫だった。 発電する外壁と、敷地の井戸。床に広げた図面の隅は、猫と犬が押さえている。 家族会議で詰めるたび、設計の穴は義父が三秒で見つけてくる。夢ではネズミが柵を越えてきて、猫の一声で目が覚める。 母にだけは、本当のことが言えない。知ったら黙っていられない人だからだ。 残り7日。家族と猫と犬を連れて、誰にも見つからずに籠りきれるか。 この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません。
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