キャラ文芸 家族の裏切り 小説一覧

1件
1

重生後、私を捨てた恩知らずの一家全員に跪いて懇願させた

 前世の俺は、家族のために自分の人生を差し出した。  育ての母、葉山文江は、妹の佳苗には進学の機会を与えてやりたいと言った。家には金がない。お前は長男なのだから、先に働いて家計を支えろ。妹が卒業したら、自分のことを考えればいい。俺はその言葉を信じ、必死に勉強して手に入れた大学への進学を諦めた。  やがて文江は、沢渡家に恩があるからと、精肉店の娘、美津子との結婚を迫ってきた。俺が断ると、母は泣きながら、これまでどれほど苦労して俺を育ててきたかを語った。結局、俺は母の涙に負け、幼なじみの菜穂との将来まで手放した。  菜穂は俺の心変わりを信じられず、一人で会いに来た。その帰り道、川の堤防近くで酒に酔った田辺和彦に襲われた。深く傷ついた菜穂は川に身を投げ、命を絶った。俺が彼女の最期を知ったときには、もう何もかも手遅れだった。  結婚生活も悲惨だった。美津子は酒を飲んでは暴れ、和彦との関係も続けていた。ある日の夫婦喧嘩で、彼女は木の腰掛けを振り上げ、俺に叩きつけた。内臓を損傷して大量に出血した俺は、病院へ運ばれた。  手術を受けるため、文江と妹たちに治療費を頼んだ。だが、家には金がないと言われ、美津子も手続きに協力しようとしなかった。  俺は病院のベッドで息を引き取った。  意識が遠のくなか、佳苗の笑い声が聞こえた。 「お兄ちゃんって、本当にちょろいよね。何を言っても言うことを聞いてくれるんだもの。うちで飼ってる牛のほうが、よっぽど手がかかるよ」  文江も一緒になって笑った。 「昔からお人よしだったからね。私が頼めば、何でも信じるんだもの」  次に目を開けたとき、俺は昭和五十年、一九七五年の春に戻っていた。  高校を卒業したばかりの俺のもとには、千代篠大学から合格通知が届いていた。入学金の納入期限が迫るなか、文江は俺に進学を諦めさせ、貯金を佳苗に回すつもりでいた。  今度こそ、自分の人生は自分で決める。  もう、誰にも俺の未来を奪わせない。
1件

アルファポリスのキャラ文芸小説のご紹介

アルファポリスのキャラ文芸小説の一覧ページです。
あやかしやクセのある探偵、お店ものなど、キャラクター像が漫画やアニメのように個性的なキャラ文芸が満載です。
「あやかし」 「後宮」 「お仕事」 人気のタグからお気に入りの小説を探すこともできます。ぜひお気に入りの小説を見つけてください。