魂の伴侶 小説一覧
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件
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──さよならの代わりに、永遠の愛を君へ。君のいない世界でも、僕は君を愛し続ける。
銀の月の加護を受けし“月の巫女”ユスティーナと、
戦乱を生きる若き戦士ヴァルデリオ。
ふたりは出逢うべくして出逢った。
神に仕える者と、剣に生きる者。
本来、交わるはずのなかったふたりの運命。
だがその瞬間、ヴァルデリオは一目で恋に落ちた。
彼女の美しさと、孤独を抱えながらも微笑む姿に、心を奪われた。
何度も逢瀬を重ねるうちに、ユスティーナもまた彼に惹かれていく。
ふたりは静かに愛を育み、やがてユスティーナは新たな命を宿す。
それは神の掟に背いた愛。
だが彼女は迷わなかった。
「神よりも、私はあなたと子を選ぶ」と。
その決意と引き換えに、彼女の身体はゆっくりと命の火を削られていく。
聖なる巫女の身体は、愛も、子も、受け止めきれなかった。
それでも彼女は産み落とした。
ヴァルデリオとの子を、世界に送り出した。
そしてその腕の中で、彼女は微笑んだ。
「ありがとう。あなたに、出逢えてよかった」
ヴァルデリオは嘆き、祈り、泣いた。
だが時は残酷で、巫女は再び目を開けることはなかった。
やがて彼は苦難の果てに王となるが、
玉座の上でも、戦場のど真ん中でも、
彼の心にはただ一人、月の巫女だけが生きていた。
「君のいない世界でも、僕は君を愛し続ける」
そしてその日――
彼が眠るようにこの世を去ったとき、
冥界の月明かりの下、ふたりの魂は再び巡り逢う。
今度こそ、永遠に離れない。
文字数 5,724
最終更新日 2025.04.02
登録日 2025.03.31
2
その男は、ただ“ローグ”と呼ばれていた。
スラムで生まれ育ち、盗み、脅し、殺しを繰り返して恐怖と暴虐でスラムを牛耳る、恐るべき支配者だった。
ある夜男は、スラムと下町の間を流れるドブ川に沿った路上で、ひとりの美女を見つけた。誰に声をかけられる事もなく、ただそこに佇んでいた女に興味を引かれて、声をかけた。
「見ねえ顔だな」
「貴方は……私が視えるのですか?」
「そんなとこに立ってりゃァ、誰だって見えらあ」
「そうですか……。ではわたくしを、貴方様の妻にして下さいませ」
そうして女は、男に従いその妻となった。見たこともないような美女が攫うまでもなく進んで自分のものとなったことに、男は有頂天になった。
男は常に女を従えてスラムを闊歩し、女はすぐに「スラムに絶世の美女がいる」と評判になった。女は言葉巧みに男を誘導し、そのおかげで男は盗みも殺しもしなくなり、スラムの秩序は劇的に改善された。
そんな彼女の噂は、ついに領主のもとにまで届いた。そしてある日、男と女の棲家は騎士団に取り囲まれ、女は奪われ領主の元へ連れ去られた。
◆たまにはちょっと毛色の変わった異世界ならではの恋愛を。ハッピーエンドではなく、切ないメリーバッドエンドです。全6話、約20000字程度です。
◆暴力的シーン、人が死ぬ描写及び、匂わせ程度ですが若干の性的描写があります。R15指定です。ご注意下さい。
◆独自の世界観と設定が多分に含まれています。可能な限り本文中にて解説を入れますが、分かりにくかったらスミマセン。
◆この物語はフィクションであり、実在の人物、団体、企業、国家などとは無関係です。また法令違反や暴力行為を推奨するものではありません。
◆作者の投稿作は特に断りなき場合、基本的に同一の世界観に基づいています。故に他作品に本作の登場人物が予告なく再登場することがあります。
どの作品も独立しているのでそれぞれ単品でもお楽しみ頂けますが、合わせて読めば二倍楽しいです。多分。
◆この作品は小説家になろうでも公開します。
文字数 18,276
最終更新日 2023.05.14
登録日 2023.05.09
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