十五年前、別れを切り出してきた僕の恋人が言った。
『十年後、まだ私のことを好きでいてくれたら、ここに来て』と。
十年後、約束の場所に行ったが君はいなかった。
それから一年が経っても、さらに一年経っても――五年が経過しても君は現れなかった。
どうしても愛を捨てきれなかった僕は、最後の望みをかけて手紙を送る。
1ヶ月後、公園で待っています、と。
期待と不安の中、迎えた当日。十五年の間、心待ちにしていた君が現れた――顔も格好も、別れた時の姿のままで。
文字数 7,905
最終更新日 2025.06.28
登録日 2025.06.12