写見坂の商店街にある影見堂写真館で働く高坂灯花は、就活用証明写真のプリントに、撮影時にはいなかった女の影を見つける。元データにも防犯カメラにも映らないその女は、紙の写真の中にだけ現れ、被写体の身体へ不可解な異変を残していく。証明写真、家族写真、遺影、古い記録写真。日常のために残された一枚が、少しずつ現実を侵食していく。写真を見なければいいのか、捨てれば助かるのか。灯花は店主・矢崎とともに、影見堂に染みついた過去と、写真の中で笑う女の正体へ近づいていく。
文字数 8,437
最終更新日 2026.05.28
登録日 2026.05.28