「売り切れる」の検索結果

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SF 完結 短編
少女は不幸だった。 ある時は信号無視の車に轢かれ、ある時は見知らぬ人に怒号を飛ばされ、ある時は欲しいものが目の前で売り切れる。 何も起こらない平穏な一日、たった一日すら少女に訪れることはなかった。 そしてついにその日、少女にとって一番の不幸が襲いかかる。 「人生はとても楽しい。 だってそうでしょう? こんなにも幸せで満ちているのだから」 ※この物語はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。
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小説 185,544 位 / 185,544件 SF 5,140 位 / 5,140件
文字数 10,006 最終更新日 2021.05.28 登録日 2021.05.25
現代文学 連載中 長編 R15
ボーロンには野望がある。それは、勿論!出版である!ネット小説に応募したボーロンは、遜り謙遜する作法は知ってはいるが、それは無意味だと考える男であった。ボーロンは変名であり本名は峰良也という。 峰良也には相当の社会的影響力があり、出版社に自分の「文学」作品を出版させ二万部程度であれば売り切れる程の知名度はある男であったのだ。右翼と呼ばれたりインテリ八九三と言われたりもしたが、彼が街頭に街宣車を走らせ演説をする時、警官たちが彼を護衛するかのように周りを固めて立つのだ。壇上に英雄のように立ち、演説する彼は「国家意志」と「天皇意志」を同一視して熱く語り、そしてその話は筋が通っており、多くの聴衆を魅了するのだ。彼は実際には真正の民主主義者であり自由主義者なのだ。共産党員でありながらもカトリック教徒である矛盾した美しい妻を持ち、「僕は女の魂の美しさを純粋に愛するのだ。君の姿は美しく光り輝いていて君の魂も美しい。次の世があれば次の世も、その次の世があれば、その次の世も、僕は君を愛し続ける事を誓おう」そう誓った彼はロマンチストでもあった。 君ねむるあはれ女の魂のなげいだされしうつくしさかな この前田夕暮の歌に自分の恋愛経験を重ね、深いシンパシーを感じる峰良也は、若いころ文学青年だった。だからこそ、自分の「文学」の実力でその価値を認めさせるために、ボーロンという変名でバッシャ船の物語をネットで書き続けていたのだ。 バッシャ船はバッシャブネと読み、峰良也の故郷の方言で、バッシャの語源は判らない。江戸末期のころから大正時代くらいまで、朝鮮沿岸、台湾、ルソン島あたりまで漁に出る七~八人乗りの漁船であったらしい。今はもう存在しない。 その峰良也がまさか異世界に転生するとは、未だ知る由もなかった。
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小説 185,544 位 / 185,544件 現代文学 7,782 位 / 7,782件
文字数 2,823 最終更新日 2019.04.06 登録日 2019.04.06
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