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恋愛 完結 短編
調香師の子爵夫人マティルダは、母から継いだ秘伝の香りで宮廷御用達の看板を支えてきた。だが夫は、その香りを社交界の花ビアンカが調えたものと偽り、マティルダを地味な古女房と蔵に押し込める。ならば、と彼女は動いた。原料の道、二十年の顧客、母の処方。香りを生むものすべてを静かに引き上げ、離縁する。看板だけが残った子爵家に、宮廷御用達の資格はもう戻らない。そして香りで人を見分ける盲目の少女と、香りだけで本物を探し当てた隣国の大公が、彼女の手を取った。人は名に騙されても、鼻は嘘を見抜く。全六話。
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文字数 11,750 最終更新日 2026.10.04 登録日 2026.10.03
恋愛 完結 短編
二年かけて王家の暴れ馬を御した調馬師マリカ。だが御前の晴れ舞台で手柄を奪ったのは、妹のセシルだった。『馬など誰にでも扱える』——そう言い放った妹は、姉を『危険な馬を放った』濡れ衣で厩から追い出す。行き場を失ったマリカに手を差し伸べたのは、彼女の傷だらけの手を見た辺境の騎士団長アルヴィスと、誰にも心を開かない軍馬たちだった。やがて王家が持て余した黒馬が北へ送られてきて――飾り綱を握る妹の前で、黒馬が首を垂れたのは、擦り切れた綱を持つ姉のほうだった。人が見なかったものを、馬はずっと見ていた。全七話。
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文字数 11,737 最終更新日 2026.10.03 登録日 2026.10.02
恋愛 完結 短編
政略結婚して八年、侯爵家の商いを一人で切り盛りしてきたエルナ。けれど夫は、帳簿の数字が読めるだけの若い愛人に采配を譲ると言い、妻を執務室から追い出した。「お前は名前だけあればいい」――わかりました、と彼女は静かに微笑む。ただし引き下がるのではない。手を引くのだ。関を抜ける許しも、品を出す仕入れ先も、道を守る隊商も、すべては侯爵家の名ではなく、彼女が顔で結んだ信用だった。その糸を引けば、家はもう回らない。御者の子と小鳥だけを連れて、彼女は自分の路を歩き出す。路を通すのは品ではない、人だ。全六話。
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文字数 12,362 最終更新日 2026.10.02 登録日 2026.10.01
恋愛 完結 短編
「鳩小屋の鳩が四十羽も消えた。お前が逃がしたのだろう」 奇襲の知らせを運んだ鳩を抱いて司令部へ走ったのは私なのに、勲章をもらったのは通信隊長だった。そのうえ鳩が消えた罪まで着せられ、王国北方軍の伝書鳩係を追われた。ところが街道の宿場で待っていたのは、八年前に鳩小屋で泣いていた男の子。今は国境を守る年下の辺境伯だった。王都の鳩小屋から鳩が一羽ずつ帰らなくなる一方で、国境の塔には白い鳩ソルが群れを連れて帰ってくる。売られた鳩の足輪が、嘘をつかない証人になる。全七話。
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文字数 12,281 最終更新日 2026.10.01 登録日 2026.09.30
恋愛 完結 短編
「今年の氷は、セシールに任せる」 夕食の席で、夫は私の腰から氷の貯蔵庫の鍵を外し、愛人の手にのせた。持参金で建て、実家の湖の氷で五年支えてきた貯蔵庫を、彼女は見学の社交場にするという。扉は開け放たれ、夏まで眠るはずの氷が溶けていく。熱に苦しむ施療院の子どもたちへ届ける澄んだ氷まで持ち出された夜、私は離縁を決めた。湖の氷も職人も、すべて引き上げます。夏至の祝宴で困るのは、あなたです。口の悪い施療院長と白い番犬に見守られ、私は新しい鍵を受け取る。元サヤなし。全六話。
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文字数 12,405 最終更新日 2026.09.30 登録日 2026.09.29
恋愛 完結 短編
「一本の糸を惜しめば、一人の兵が凍えます」 王室織物工房の織り手リネットは、自分の織っていない粗悪な外套を突きつけられ、兵を凍え死なせた罪を着せられて追われた。手元に残ったのは母の遺した小さな見本布と、去年の冬に救った少年兵だけ。 その夜、雪をかぶった軍装の男が宿の扉を叩く。北方軍で補給を預かる総監は、凍死した二十二人の名をすべて覚えていた。 北の砦で織られた布は、兵の凍傷を五分の一に減らす。やがて王都から、冬営装備を王の御前で検分せよという召喚状が届いた。 ざまぁ・溺愛・ハッピーエンド。全七話。
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文字数 12,495 最終更新日 2026.09.29 登録日 2026.09.28
恋愛 完結 短編
亡き母の名を冠した渡し船が、夫の愛人の名に塗り替えられた。伯爵夫人セシリアは声を荒げない。四年のあいだ夫に代わって大橋と河港と渡しを回してきた帳簿を、静かに閉じただけだ。橋も船も渡し賃も、すべて彼女の持参財産。そのことを、夫はまだ知らない。折しも王都から、水夫あがりの河川総督が橋の検分にやってくる。彼が見抜いたのは橋の傷みではなく、橋を支えてきた人のほうで――。離縁を決めた伯爵夫人と、川の男の物語。全六話。
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文字数 12,358 最終更新日 2026.09.28 登録日 2026.09.27
恋愛 完結 短編
王妃さまの形見のドレスを三晚かけて蘇らせたのは私。手柄を持っていったのは女官長さま。そのうえ「卑しい手で形見に触れた」という咎めまで頂いて、私は七年勤めた王宮を追われました。拾ってくださったのは隣国の若き大公さま。二年前、捕虜として洗濯場の水を汲んでいたあの方です。やがて王都から小さな字の手紙が届きます。おかあさまのドレスが、ないてます……。落ちない染みはございません。落としてはいけない染みが、あるだけです。ざまぁ&溺愛ハッピーエンド。元サヤなし。全七話。
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文字数 12,283 最終更新日 2026.09.27 登録日 2026.09.26
恋愛 完結 短編
納めの塩に、安い灰塩が混ざっていた。荷に触れられた者はほかにいたのに、罪を着せられたのは女塩親方のわたし。祖母の代から五十年、浜で塩を炊いてきた腕ひとつで放り出された私を拾ったのは、塩の取れない山国の公爵様だった。「塩は白い金ではない、命だ」と言うこの方の谷で、赤い岩塩を甘い塩に変えてみせた頃、王都から検分の報せが届く。……塩は、嘘をつきません。いつか必ず、本当のことを申します。利き塩ざまぁ&溺愛ハッピーエンド。全六話。
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文字数 12,179 最終更新日 2026.09.26 登録日 2026.09.25
恋愛 完結 短編
王室御用の祝いの席で、夫は第二夫人を発表した。「血筋の正しい母親に跡継ぎを産ませる。だがお前は今まで通り、窯で金を稼げ」……いいでしょう。なら教えて差し上げます。この窯の釉も、職人も、販路も、御用の看板さえ、伯爵家のものではないということを。わたくしが出ていく日、この家に何が残るのか。あなたはまだ、知らない。割られた形見の盃、口のきけない轆轤の天才少年、そして北の侯爵様。支えを静かに引き上げる離縁から始まる、ざまぁ&溺愛ハッピーエンド。元サヤなし。全七話。
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文字数 12,470 最終更新日 2026.09.25 登録日 2026.09.24
恋愛 完結 短編
真冬の王室温室を枯らしたという濡れ衣で、促成栽培師のクレアは温室を追われた。だが薬効の果実を枯らしたのは、彼女の育て方ではなく、庭園長が夜に炉の火を落としたすり替えの罠。飢饉と疫病の冬、公爵オスカーに請われ、クレアは荒れた温室に春を呼び戻す。真冬の橙が、病の子の頬に、飢えた民の食卓に、赤みと緑を返していく。そして冬の献上果実の御前、生きて花咲く一本の果樹が、誰の嘘も暴き出す。凍てた土にも、春は仕込める。追放された栽培師の、逆転と溺愛の物語。全六話。
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文字数 11,839 最終更新日 2026.09.24 登録日 2026.09.23
恋愛 完結 短編
王家の大遠眼鏡を歪めたという濡れ衣で、硝子磨きのエレナは王宮工房を追われた。だが暦の要の星を滲ませたのは、彼女の磨きではなく、監督官が仕込んだ安物レンズのすり替え。まことを映す硝子を求める若き天文台長に請われ、エレナは澄んだ一枚を磨き上げる。星が、船乗りの命が、目を病んだ少女の視界が、その硝子で甦っていく。そして観星の宴の御前、レンズは誰の嘘も正直に映し出す。よい硝子は、嘘をつかない。追放された硝子磨きの、逆転と溺愛の物語。全七話。
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文字数 11,993 最終更新日 2026.09.23 登録日 2026.09.22
恋愛 完結 短編
「金を作る役目は終わった、実家に帰れ」——愛人を囲っていた夫は、私が五年かけて育てた葡萄園まで、勝手に売り払おうとした。いいでしょう。この家に尽くすのは、今日でおしまいにします。あなたはまだ知らない。あの丘の葡萄酒が、誰の手で王室御用達になったのか。私が去った後で、あなたは思い知ることになる。失ったものの本当の大きさを。これは、家を支えてきた妻が静かに支えを引き上げる、離縁から始まる物語。ざまぁ&溺愛ハッピーエンド、元サヤなし。全六話。
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文字数 16,909 最終更新日 2026.09.22 登録日 2026.09.21
恋愛 完結 短編
「虫けらの世話など下賤な仕事」——手柄をすべて上司に奪われ、私は三代続いた王立養蜂園を追われた。だが、傷の膿を止める薬効の蜜を採れるのは私だけ。女王蜂の羽を切った素人の手で、王家の蜂は全滅する。私を招いたのは、蜜に兵の命を救われた若き辺境伯。新しい花野で蜜を実らせる私に、追い出した監督官は「毒入りだ」と濡れ衣を着せてくる。御前の目利きで、蜂に真実を証させましょう。女王蜂は、私の手にしか留まりません。蜂は慈しむ手を裏切らない。救った少年と絶えぬ蜜とともに送るざまぁ&溺愛ハッピーエンド。
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文字数 16,830 最終更新日 2026.09.21 登録日 2026.09.20
恋愛 完結 短編
七年、毒見役の下働きとして王族の命を守り続けたセラフィーナ。だがその手柄はすべて筆頭女官マルグリットに奪われ、ついには毒殺未遂の濡れ衣を着せられ、王宮を追放されてしまう。行き倒れかけた国境の森で彼女を拾ったのは、隣国イルミナの若き国王アーベル。「その舌は国宝だ」と、彼はセラを食医として迎え入れる。溺愛の日々の中、故国では王太子が原因不明の病に倒れ――やがて明かされる、あの追放の裏に隠された、玉座を狙う毒の陰謀。舌ひとつで真実を暴く、痛快ざまぁ溺愛譚。全十話。
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文字数 19,548 最終更新日 2026.09.20 登録日 2026.09.15
恋愛 完結 短編
「女に灯台守は務まらぬ」——縁故の技師に職を奪われ、私は四十年続いた岬の灯を追われた。だが、嵐を読めるのは私だけ。油を半分に削られた灯台は、予告どおりの大時化で船を沈める。私を拾ってくれたのは、かつて私の灯に命を救われた海洋伯。新しい岬で灯を掲げ直す私に、追い出した監督官は破壊工作の濡れ衣を着せてくる。御前査問で、海そのものに真実を証させましょう。半刻後の霧を、私は言い当てる。海は嘘をつかない。救った少年と、絶えぬ種火とともに送る痛快ざまぁ&溺愛ハッピーエンド。全六話。
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文字数 17,476 最終更新日 2026.09.20 登録日 2026.09.19
恋愛 完結 短編
収穫祭の夜、侯爵夫人アデライドの席には、夫の幼馴染が座っていた。「この家を支えるのは彼女だ」——五年間、羊毛の販路も軍馬の目利きも一人で担ってきた私を、夫は「算盤ばかりで屋敷を冷やす」と厭い、離縁を切り出す。ならば、私が持ち込んだものは、私が持って出るだけ。約定はすべて私個人の署名。私が去れば、家計の四割が消える。傾く侯爵家、崩れる幼馴染、そして私にだけ懐く名馬。離縁の先で私を見つけたのは、嘘のない選びをする隣領の伯爵だった。支えを引き上げる痛快ざまぁ。元サヤなし溺愛ハッピーエンド。全七話。
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文字数 17,478 最終更新日 2026.09.19 登録日 2026.09.18
恋愛 完結 短編
九年、施薬院で疫病を見立て、幾つもの町を救ってきた防疫官リオラ。だがその手柄はすべて筆頭医官に奪われ、ついには疫病を広めた濡れ衣を着せられ、王都を追放されてしまう。行き倒れかけた国境の焼け村で彼女を拾ったのは、半年前まで戦っていた元敵国の若き将軍ヴィント。「その病を見立てる目で、俺の兵を救ってくれ」と彼は迎え入れる。病で兵を失い続けた将軍と、病の道を読む防疫官。溺愛の日々の中、故国では握り潰された疫病が都で燃え上がり――鼻ひとつで真実を暴く、ざまぁ溺愛譚。全六話。
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文字数 17,558 最終更新日 2026.09.18 登録日 2026.09.17
恋愛 完結 短編
八年、治水寮で堤を見つめ、幾つもの村を洪水から守ってきたリィナ。だがその手柄はすべて筆頭技師に奪われ、ついには堤決壊の濡れ衣を着せられ、王都を追放されてしまう。行き倒れかけた辺境の橋のたもとで彼女を拾ったのは、若き北辺伯ライハルト。「その水を読む目を、俺の民に貸してくれ」と彼は迎え入れる。水害で肉親を失った領主と、水を読む技師。溺愛の日々の中、故国では砂で嵩を稼いだ偽りの堤が決壊寸前に――掌ひとつで真実を暴く、ざまぁ溺愛譚。全六話。
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文字数 12,450 最終更新日 2026.09.17 登録日 2026.09.16
恋愛 完結 短編
国境の地図はぜんぶ私が測って描いたのに、名前はいつも主任のもの。挙げ句、野帳紛失の濡れ衣で王立測量院を追放された私を迎えに来たのは、三年前まで敵国だった隣国の元帥でした。「君の地図にだけ、二度負けた」――誰も呼ばなかった私の名前を、この人だけが探し当ててくれた。一方、写しの地図しか持たない故国は、もう存在しない浅瀬に三千の兵を渡らせようとしていて……? 御前会議で偽の地図を暴く実演ざまぁ×武骨な元帥の実直溺愛。今さら泣きつかれても、もう遅い。全十話。
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文字数 19,764 最終更新日 2026.09.17 登録日 2026.09.14
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