人生100年時代を幸せに生きる明日への一歩

人の意見を受け入れられないのは、責任転嫁しない生き方の表れ

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立ち止まればいい

しかし、そうは言っても、「他人任せにしない生き方」を続けていくことは、そう簡単なことではありません。「言うは易し、行じるは難し」という言葉の通り、実際の生活ではいろいろな感情も交錯し、不安や心配も募ってしまうものです。

それでも問題はありません。「失敗した」「後悔した」「不安になった」というような状況になったときは、一度立ち止まって、周囲から意見を集め、必要な考え方、情報、手段を自分の生活に取り込んであげればよいのです。

これは、都合のいいように生きていると思わないようにして下さい。必要なときに、必要なものを必要なだけ摂取するというのは基本的な営みです。これは、人間だけでなく、動物、植物も同じです。むやみやたらに物事を摂取すれば、動物だって体調や生活スタイルが崩れたり、植物も枯れてしまいます。人間にも同じことが言えるのです。

実は、お釈迦さまの「自らを灯明とせよ」という教えには、続きがあります。それは「法(お釈迦様の教え)を灯明とせよ」(法灯明)というものです。これは、つまずいたときは、立ち止まり、仏教の教えを鏡として自分自身を省みて、進んでいきなさいというメッセージです。

誰であろうとも、生きていくうえでは失敗、後悔、不安は付きものです。しかし、その都度、反省と生き方の修正をしていけば、何度もやり直すことはできます。

いつか周囲の意見が必要となるときもあると思います。そのときは、人の意見を受け入れ、自分の生活をより良いものに変えていくというくらいの心持ちでおられるのがよいのではないでしょうか。

人は、いざというときは、誰もが藁(わら)をも掴む思いで、何かにすがるものです。そのようなときが来るまでは、気が進まなければ無理に人の意見を受け入れる必要はないのです。

但し、いざというときに周囲の意見が貰えなくなっている状況だと大変なので、人の意見を受け入れる、受け入れないはともかく、とりあえず意見を聞くという姿勢だけは大切にしながら生活してみてはいかがでしょうか。

次回に続く

 

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プロフィール

大來尚順
大來尚順

浄土真宗本願寺派 大見山 超勝寺 住職
著述家/翻訳家

1982年、山口市(徳地)生まれ。龍谷大学卒業後に渡米。米国仏教大学院に進学し修士課程を修了。その後、同国ハーバード大学神学部研究員を経て帰国。僧侶として以外にも通訳や仏教関係の書物の翻訳なども手掛け、執筆・講演・メディアなどの活動の場を幅広く持つ。2019年、龍谷大学 龍谷奨励賞を受賞。著書に『あなたは、あなた。』(アルファポリス)『超カンタン英語で仏教がよくわかる』(扶桑社) 『小さな幸せの見つけ方』(アルファポリス)など多数。

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