2023ヤクルト髙津流 躍動の燕マネジメント

シーズン終盤へ!今後を占うここからの戦い方。
一つでも上位を目指すために――

新加入、E・ロドリゲス投手に期待すること

――当面のライバルである、読売ジャイアンツ、横浜DeNAベイスターズとの試合ではローテーションを再編成することもあり得ますか?

髙津 ローテーションに関して言えばあり得ます。でも、それは「これからのことを考えて無理はさせたくない」という意味でもあるし、「この投手をこの相手にぶつけたら、どうなるのだろう?」という意味合いもあります。

――8月からは、E・ロドリゲス投手が新加入しました。9日の広島東洋カープ戦での初登板は初先発初勝利。続く17日は敗戦投手となったものの、6回を投げて3失点で自責点1という成績でした。さらに、24日の巨人戦でも粘り強いピッチングを見せましたが、6回で突如崩れ3者連続四球で降板という結果でした。彼については、どのように見ていますか?

髙津 まだまだ、彼本来の調子ではないと思います。まだ少し遠慮している部分もあるし、新しい環境に慣れていない部分もあると思います。だから、希望も含めて、「もっともっとよくなるんじゃないのかな」という感触は持っています。

――どういう点に、可能性を感じますか?

髙津 彼と初めて対面した第一印象として、「意外とデカいな」と思いました。やっぱり、日本人とは異なる骨格を持っていて、バッターからするとイヤな角度を持っていますね。僕は打者でもないし、打席に立っているわけでもないけど、上から投げ下ろす、あの角度はすごく魅力的だと思います。

――ホークアイなどの数値を見ても、回転数、ホップ成分など、非凡なものがあると聞きました。

髙津 詳しくは言えないですけど、真っ直ぐの数字であったり、変化球のスピン量であったり、スタッツを見ていても期待できる点が多くありました。そういう点を考慮して獲得を決めたわけですけど、「これはいいんじゃないか」という思いはありますね。僕らとしては「もっとこういう変化球を投げてほしい」という思いもあるけど、その点も含めて、「まだまだ伸びるんじゃないか」という可能性は感じています。

ご感想はこちら

プロフィール

髙津臣吾
髙津臣吾

1968年広島県生まれ。東京ヤクルトスワローズ監督。広島工業高校卒業後、亜細亜大学に進学。90年ドラフト3位でスワローズに入団。93年ストッパーに転向し、20セーブを挙げチームの日本一に貢献。その後、4度の最優秀救援投手に輝く。2004年シカゴ・ホワイトソックスへ移籍、クローザーを務める。開幕から24試合連続無失点を続け、「ミスターゼロ」のニックネームでファンを熱狂させた。日本プロ野球、メジャーリーグ、韓国プロ野球、台湾プロ野球を経験した初の日本人選手。14年スワローズ一軍投手コーチに就任。15年セ・リーグ優勝。17年に2軍監督に就任、2020年より現職。

著書

明るく楽しく、強いチームをつくるために僕が考えてきたこと

明るく楽しく、強いチームをつくるために僕が考えてきたこと

髙津臣吾 /
2021年、20年ぶりの日本一へとチームを導いた東京ヤクルトスワローズ髙津臣吾監...
出版をご希望の方へ

公式連載