婚約者に初恋の従姉妹といつも比べられて来ましたが、そんなに彼女が良いならどうぞ彼女とお幸せに。
「シャティならもっと気の利いたことを言ったのに」
「お前といると本当に退屈だ。シャティといればいつでも心躍るのに」
「シャティの髪は綺麗な金色で花も霞んでしまう程なのに、お前の髪は本当に地味だな」
「シャティは本当に優しくて美しいんだ。それに比べてお前は氷のように冷たいな!」
私の婚約者であるエルカルト・ルーツベットは、毎度毎度顔を合わせる度に私をこのように彼の初恋の相手である彼の従姉妹のシャティ様と比べては私を卑下するような事ばかり言う。
家の為の結婚とは言え、毎度このように言われては我慢の限界を迎えつつあったある日。
「あーあ。私は本当はシャティと結婚したかったのに!お前のせいで思い合う二人が引き裂かれた!!悪魔のようなやつめ!!」
そこまで言うならばお好きにどうぞ?
ただし…どうなっても知りませんよ…?