え、宮廷【結界師】として国を守ってきたのにお払い箱ですか!? 〜結界が破られ国が崩壊しそうだから戻って来いと言われても『今さらもう遅い』~

「聞こえないのか? 貴様はクビだと言ったのだよ」

 結界師として国に仕えていた俺(リット)は、この国の王女にクビを宣告される。
 国の守りのかなめとも言える重要な職人だが、愚かな王族たちはそんな事実を忘れ去っていたのだ。

「俺を追放して、本当に国は大丈夫なのか?
 結界をメンテナンスできる人が居なければ、あっという間に綻びが生じるだろう。下手すると一か月も保たないぞ?」

 俺の忠告は聞き入れられず、俺は弟子とともにあっさり国を追放される。
 立ち去ろうとしたところで謁見の間の扉が開け放たれ、突如としてエルフの少女が飛び込んできた。

「会いたかったです、旦那さま!」

 彼女はエルフの里の王女さま。俺がフリーになるのを待って、わざわざ迎えに来たのだ。
 フリーの結界師は貴重な人材なのだ。フリーになるタイミングを見計らってスカウトに来たのだとしてもおかしくはない。
 ほかにも獣人族の族長や、ドワーフ族の鍛冶連合のリーダーからも熱いスカウトを受けることとなる。
 俺はエルフの里に迎えられ、エルフの王女さまとスローライフを謳歌することになった。
 エルフの里の『守護神』などと呼ばれるほどに、その実力を遺憾なく発揮しながら。

 一方、俺を追放したことで王国の結界には綻びが生じ、モンスターが続々と侵入するようになっていた。
 モンスターの襲撃を受けた王国は、やがては取り返しの付かない大混乱に陥っていく。
 俺に追放を言い渡した王女は、ついには責任を取らされる形で地下牢に投獄されることとなった――

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