式神の従属婚 〜悪辣陰陽師は出来損ないの騰蛇を娶る〜
式神にとって恥辱の『従属婚』は、求めていた自由への一歩だった。
陰陽道の権威が尊い倭国。その頂点に君臨する安倍家に使役される十二天将のひとり、騰蛇(とうだ)の長を父に持つ式神の巴(ともえ)は、無能のミミズと呼ばれ奴隷同然に使われていた。
「外の世界へ出たい……」と思いを馳せていたある日、禍々しい召喚術が空に現れる。
それは凶悪な陰陽師と忌諱される蘆屋家の術式。
一縷の希望を見出し応じると、目の前には蘆屋家の陰陽師である実弥(さねみ)という男が居た。
十二天将の強奪を目論んでいた実弥は失敗したと言って巴を陰陽領に返そうとするが巴は「なんでもします!」と土下座し縋る。
巴が安倍家から逃げるには、実弥に所有してもらうしか方法はないのだ。
その懇願に実弥は提案する。
「妻となりを子を産む気があるなら帰さないでやろう。ただし契りは従属婚だ」
それは式神にとっては恥辱の婚礼。
自分で選べと突きつけられ、巴は覚悟を決めて愛のない従属婚を選ぶ。
するとなぜか巴は騰蛇としての力に目覚めはじめ……
その召喚を堺に、巴の世界は一変してゆく。
さらに巴が無能のミミズだったのは、六限鏡(むげんきょう)という呪具が関係していたようで……
悪辣な陰陽師と、自由を求める式神騰蛇。
愛のない結婚から始まった二人の関係は、焦ったくもどかしい距離が続く。
「業とは呪いだ、呪いとは不自由だ」
巴は果たして本当の自由を掴めるのか
陰陽道の権威が尊い倭国。その頂点に君臨する安倍家に使役される十二天将のひとり、騰蛇(とうだ)の長を父に持つ式神の巴(ともえ)は、無能のミミズと呼ばれ奴隷同然に使われていた。
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その懇願に実弥は提案する。
「妻となりを子を産む気があるなら帰さないでやろう。ただし契りは従属婚だ」
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さらに巴が無能のミミズだったのは、六限鏡(むげんきょう)という呪具が関係していたようで……
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