この世界のすみっこで

君のことなんて、すっかり忘れた――なんて、嘘だった。

十二年前の夏、クラスで隣だった女の子に、僕は手紙を書いて、結局渡せなかった。
あれからずっと、そのままだ。
けれど今、はるか遠くの中東の空の下、彼女は僕の名前を呼んだ。

何かが始まるような音もしなかったし、ドラマみたいなセリフもない。
でも、たしかに、何かが動き出していた。

「もう一度出会えたら」なんて、簡単に言えることじゃない。
けれど、忘れられない想いは、ちゃんとどこかで待っていてくれる。
この物語は、そんなふたりの静かな再会と、小さな手紙のゆくえを描いています。
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