わたしは不要だと、仰いましたね
十七年、全てを擲って国民のため、国のために尽くしてきた。何ができるか、何が出来ないか。出来ないものを実現させるためにはどうすればいいのか。
試行錯誤しながらも政治に生きた彼女に突きつけられたのは「王太子妃に相応しくない」という婚約破棄の宣言だった。わたしに足りないものは何だったのだろう?
国のために全てを差し出した彼女に残されたものは何も無い。それなら、生きている意味も──
生きるよすがを失った彼女に声をかけたのは、悪名高い公爵子息。
「きみ、このままでいいの?このまま捨てられて終わりなんて、悔しくない?」
もちろん悔しい。
だけどそれ以上に、裏切られたショックの方が大きい。愛がなくても、信頼はあると思っていた。
「きみに足りないものを教えてあげようか」
男は笑った。
☆
国を変えたい、という気持ちは変わらない。
王太子妃の椅子が使えないのであれば、実力行使するしか──ありませんよね。
*以前掲載していたもののリメイク
あなたにおすすめの小説
いつまでも甘くないから
朝山みどり
恋愛
エリザベスは王宮で働く文官だ。ある日侯爵位を持つ上司から甥を紹介される。
結婚を前提として紹介であることは明白だった。
しかし、指輪を注文しようと街を歩いている時に友人と出会った。お茶を一緒に誘う友人、自慢しちゃえと思い了承したエリザベス。
この日から彼の様子が変わった。真相に気づいたエリザベスは穏やかに微笑んで二人を祝福する。
目を輝かせて喜んだ二人だったが、エリザベスの次の言葉を聞いた時・・・
二人は正反対の反応をした。
やりません。やれないんです。
朝山みどり
恋愛
国の制度変更により、薬の調合・販売には免許が必要となり、長年村で薬師をしてきた祖母は年齢制限のため資格を取得できず、薬師を名乗れなくなった。経験や評判は評価されず、「紙(免許)」がすべてになった。
ダイアナは祖母の店を再開するため、講習と試験を受け、町のポイード薬局で半年間の住み込み見習いを始める。講習では祖母の経験が理論として体系化されていることを学び、学問と実践の両立を実感する。
同室となったマリアと協力しながら、厳格な規格・衛生管理のもとで調薬を学ぶ日々。祖母の知恵と新しい制度の知識を胸に、半年後に胸を張って帰ることを楽しみ過ごしていたが……
他のサイトでも公開しています。
私が死んで満足ですか?
マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。
ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。
全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。
書籍化にともない本編を引き下げいたしました
エミリーと精霊
朝山みどり
恋愛
誰もが精霊と契約する国。エミリーの八歳の誕生日にやって来たのは、おもちゃのようなトカゲだった。
名門侯爵家の娘としてありえない恥。家族はエミリーをそう扱った。だからエミリーは居場所を得るために頑張った。役に立とうとした。
十六歳の妹の誕生日、私はこの世を去る。
あいみ
恋愛
碌に手入れもされていない赤毛の伯爵令嬢、スカーレット。
宝石のように澄んだ青い髪をした伯爵令嬢、ルビア。
対極のような二人は姉妹。母親の違う。
お世辞にも美しいと言えない前妻の子供であるスカーレットは誰からも愛されない。
そばかすだらけで、笑顔が苦手な醜い姉。
天使のように愛らしく、誰からも好かれる可愛い妹。
生まれつき体の弱いルビアは長くは生きられないと宣告されていた。
両親の必死に看病や、“婚約者の献身的なサポート”のおかげで、日常生活が送れるようになるまで回復した。
だが……。運命とは残酷である。
ルビアの元に死神から知らせが届く。
十六歳の誕生日、ルビアの魂は天に還る、と。
美しい愛しているルビア。
失いたくない。殺されてなるものか。
それぞれのルビアを大切に思う想いが、一つの選択をさせた。
生まれてくる価値のなかった、醜いスカーレットを代わりに殺そう、と。
これは彼女が死ぬ前と死んだ後の、少しの物語。
春の避暑地
朝山みどり
恋愛
ミネルバの婚約者テリウスは、妹フローラと頻繁に顔を合わせるようになり、二人はミネルバの前でも親しげに会話を重ねながら距離を縮めていく。
買い物への付き添いや夜会のダンスなどをきっかけに、二人の仲は次第に深まり、周囲の若者たちも「二人はお似合いだ」と面白がりながら応援するようになる。
その関係は、まるでミネルバの存在を忘れているかのようだった。
やがて両家が集まる席で、テリウスはミネルバとの婚約を解消し、フローラと婚約したいと告げる。
こうして、ミネルバを置き去りにしたまま、テリウスとフローラの関係は周囲の後押しの中で進んでいくのだった。
婚約を失ったミネルバは、家の跡取りの立場も妹に譲ることになり、父の姉ガーベラのいるフォード元伯爵家へ送られる。そこでは理由を詮索されることもなく、ただ静かに休むように受け入れられる。
穏やかな生活の中でミネルバは、自分が思っていた以上に疲れていたことに気づく。伯母に「そのドレスはとても似合う」と言われたことをきっかけに、これまで母や妹の影に隠れていた自分の人生を少しずつ取り戻し始める。
やがて伯母に連れられてローハン元侯爵夫人の茶会に参加すると、ミネルバの美しい筆跡が評価され、令嬢マーガレットに字を教えてほしいと頼まれる。
最初は通いで教えるだけだったが、ローハン夫人は娘が気に入っていることから、住み込みの家庭教師として迎えたいと申し出る。
ミネルバは迷いながらも、過去に縛られない新しい人生を選ぶ決意をする。
この世界は貴族制度が廃止されたばかりです。力のある平民が台頭してきています。 ほかのサイトにも投稿しています。
続きはもう書かれないのですか?