朝露

新垣直久はラベンダー畑を歩いていた。
毎年同じ月の同じ日、同じ時間に、この場所を訪れている。

隣を歩くのは直久が思いを寄せる女性、椎名美里。
彼女はもう、この世界には存在しない。

だからこそ、直久は毎年決まった時期にここに来る。
自分の愛する人に、会うために――……。
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