無能力の俺は、怪物の血で覚醒する ~落ちこぼれの戦術観測員、銀髪の怪物少女と人類の嘘を暴く~
あの日、空から落ちた隕石の卵から怪物が生まれ、人類は半数を失った。生き残った人々は怪物の肉体を武器へ変え、それを最大限に操る新人類《アース》を英雄と呼ぶようになる。
白瀬譲は、アースではない。記憶力と分析力だけは誰にも負けないが、走れば遅く、武器を握れば足がもつれ、兵器を動かせば暴走させる。地球防衛隊養成所で彼に与えられた評価は、座学一位、戦闘実技最底辺。「戦場では役に立たない」――誰もがそう決めつけていた。攻撃系アースの幼馴染・颯太、兵器操作の天才・陽葵が遠ざかっていく中でも、譲は記録を集め続ける。
だが孤島試験で寄せ集めの仲間が追い詰められた時、譲だけが地形、怪物の癖、味方の恐怖まで読み切り、勝てないはずの戦場に一本の生存ルートを見つける。拳でも異能でもない。観察し、計算し、ばらばらだった仲間を結び、全員を生きて帰す。それが彼の戦い方だった。
やがて前例のない《特別戦術観測員》として討伐第一部隊に加わった譲は、廃工場の地下で銀髪の少女エヴァと出会う。彼女は人類が怪物と呼ぶ種族の一人。そして告げる。怪物は侵略者ではない。人類に奪われた“卵”を取り返しに来ただけだ、と。
正義を名乗る防衛隊が隠した記録。アース誕生の真実。能力を持たない人類を淘汰する極秘計画《プロジェクト・アーク》。証拠を追うほど、譲は仲間から疑われ、組織から追われていく。信じてきた英雄たちと、敵だと教えられた少女。どちらか一方を選べば、必ず誰かが切り捨てられる。
それでもなお、譲は記録をやめない。真実を暴き、エヴァを守り、人間と怪物の双方が生き残る答えを探すために。
そして瀕死の彼へ、エヴァは自らの血を差し出す。
「あなたは無能力だったんじゃない。最初から、別の力へつながっていた」
これは、戦えない落ちこぼれが知略で英雄たちを導き、怪物の血で覚醒し、人類が築いた“正義”そのものに挑む、友情と選択の近未来バトルファンタジー。
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