あなたの蝋燭が消えるまで

 バイトの帰り道で、変なモノを見た。

 月明かりのない夜。
 街灯の薄明かりのもとで、黒い布が浮いていた。
 よくよく見てみるとフードのような部分があり、人に見えなくもない。

「……いや、鎌は銃刀法違反でしょ」

 そう呟き、バイトで疲れた体を引きずって回り道に行こうとした。
 すると、鎌をしょった黒い布がすごい速さで接近してきた。

「すみません!総合病院ってどこですか?!」

「この近くにはありませんよ」

 ……これが、あのポンコツな死神との出会いだった。
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