散華の紅雪
日清戦争の勝利に巷が沸き返る明治中期。
「生家に顔を見せにこい」という短い手紙を受け取った主人公は、十数年ぶりに故郷――戦勝景気とは掛け離れた山深い寒村へ帰省する。
主人公を温かく迎える故郷の人々と、父母との再会。そして彼の前に現れる口のきけない少女。
やがて、再び村を襲う飢饉によって村人達の確執が表面化する中、幾度も過る「真っ白な世界」の記憶と、山にまつわる忌まわしき業。
…それはかつてこの地で命を落とした一人の遊女、心胆寒からしめる雪女郎伝説の悲劇の再来か――
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