婚約破棄された悪役令嬢は、今さら愛されても困ります
――よって、私はアリシア・グレイスとの婚約を、ここに破棄する!」
その言葉が、王城の舞踏会場に響き渡った瞬間、私はすべての感情を捨て去った。
ここは、王国主催の春の舞踏会。貴族たちが勢ぞろいし、華やかなドレスと香水が空気に溶け込む中で、突如告げられたのは、王太子アルベルト殿下による私との婚約破棄だった。
舞踏会の中心で、周囲の視線を一身に浴びながら、私は微笑みを浮かべて一礼する。
「……承知いたしましたわ、アルベルト殿下。ご英断、心より祝福いたします」
会場はどよめいた。驚きと戸惑いに満ちたその空気の中、私は美しく、優雅に、何より冷静に対応してみせた。
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