悪役令嬢は何も覚えていない~記憶を消してから、裁判に出ました~
目を開けると、頭の上に鐘があった。
偽りを語れば鳴るという「真実の鐘」。その下で、公爵令嬢エレオノールは毒殺未遂の罪を問われていた。
だが彼女には、何ひとつ記憶がない。自分の名前さえも。
「覚えておりません」
鐘は鳴らなかった。
屋敷に戻ると、嘘つきたちが次々と訪ねてくる。
「お嬢様はお優しい方でした」と言う侍女。
「きみは私を深く愛していた」と言う婚約者の王太子。
「わたくしたち、親友でしたのよ」と言う被害者の令嬢。
そして実の父だけが、娘がどんな女だったのか「言わん」と口を閉ざす。
空っぽの頭で嘘を並べるうちに、エレオノールは気づきはじめる。
わたくしは、本当に優しい女だったのかしら?
七日後、二度目の裁きの日。
鐘が鳴るのは、いったい誰の言葉か。
記憶を捨てた悪役令嬢が、嘘だけで嘘を暴く、全5話の法廷ざまぁ。
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