【奨励賞受賞】拝啓、夜空にかかった虹を見つけてくれた君
【第9回ライト文芸大賞 奨励賞受賞】
もう自分がわからない、もう消えてしまいたい──そんな思いから、高見澤結衣は中学三年生の冬、一度だけ自分の左手首を切ってしまった。
高校二年になった結衣は「誰にでも明るく」「怒らず」「泣かない」子として日々を過ごしていた。
嫌われるのが怖くて、「いい子の私」を演じ続ける結衣。
本当の私って、どれなんだろう──そう迷いながらも、自分を守るため「私」をやめることはできなかった。
高二になって、はじめての席替え。
隣の席になったのは、クラスの人気者・渡辺蒼真だった。ほとんど話したこともなかったのに、彼は自然に距離を縮めてくる。
そのまっすぐさと人懐こさに戸惑いながらも、結衣は次第に彼の存在に惹かれていく。
だけど、明るいと思っていた蒼真にも、重い過去があるようで──。
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