天才の姉が私の顔を欲しがったので、頭脳と交換してあげました。返してほしい? それ、私の同意が要るんですよ
「400人中400位。順位を書く欄だけは、迷わず埋められる」
日野柚葉、高校2年。双子の姉・玲香は学年1位の天才で、両親の自慢の娘。私の取り柄は顔だけだと、家族の誰もが思っている。姉は私の甲殻類アレルギーを知っていて、エビフライを私のご飯にのせてくる。
17歳の誕生日の夜、鏡の前で、頭の内側に機械の声がした。
「日野玲香から、交換申請を受信しました。対象は、日野玲香の頭脳と、ユーザーの容姿です」
交換には双方の同意が要る。返すときも、同じ条件。
その一文を聞いたのは、私だけだった。
私は同意した。
美しくなった姉は憧れの男子の隣を手に入れ、私は吹き出物の増えた頬のまま、5回解けなかった問題集を開く。頭の回転が速くなっても、知らない英単語は知らないまま。
最下位から30位へ。印刷された解答に逆らって黒板にDと書き、夜の図書館では未解決問題のノートを広げる。
姉は言う。「私の頭を返して」
申請は、ちゃんと届いている。
同意するかどうかは、私が決める。
全10話。
この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません。
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