アンビバレントな私たち
皇宮の広大な敷地の最奥、木々と草地に囲まれた皇家の私有地グラン・トリアン。
その一角に建つ学舎プチ・トリアン。
ここは学校でも学院でもない。
将来の帝国を担う高位貴族の子弟十数名と皇太子が、生活を共にしながら高度な教育を受けるための特別な場である。
そして、この場で共に学び、生活を送ってきた令嬢たちの中から皇太子リヴァネストの妃、ひいては皇后となる女性が選ばれる。
その候補者の筆頭として置かれているのが、公爵令嬢マシェリアだった。
皇后選定の時は、もう目前まで迫っている。
皇太子であるリヴァネストは将来、非常に優れた皇帝になるだろう。
だが、幼い頃からマシェリアを嫌っている彼にとって、現状は不愉快なものに違いない。
彼の隣にはマシェリアよりも相応しい女性がいるはずで、その人と婚姻して幸せになって欲しい。
それは建前ではなく、彼の未来を思えばこそマシェリアが本気で信じていることだった。
でも……。もしこのまま自分が皇后になったとしたら? どうなる?
皇后として、間違いなく求められるのは世継ぎだ。
その世継ぎを得るためには、当然ながら夫婦として身体の関係を持たねばならない。
自分を嫌っている彼が、果たして妻として自分を抱けるのか。
それが苦痛であるならば、彼は別の女性を皇妃として迎えるだろう。
※のんびり不定期更新です。
※誤字脱字は随時改稿しておりますが、読みづらい点も多々あるかと思います。ご容赦くださいませ。
※史実通りではありませんが、18世紀中期あたりのヨーロッパを元にした独自の世界観です。
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