町娘は王子様に恋をする
平々凡々努力だけでやってきた宇佐見は大学の頃からの先輩である羽柴の頼みごとに弱い。それは社会人になっても変わらない。
弱みを握られている訳でもなく、頼まれたら仕方ないと手伝ってしまうのは淡い憧れがあるから。
「宇佐見はお姫様っていうよりは町娘かなあ……」
告白もさせてもらえないくらい、後輩としてしか可愛がられていないと分かってはいても、こうして普通に接してくれるだけで十分だ。
町娘は人気者の王子様に恋をした。
圧倒的にヒロイン(お姫様)力は足りないけれど、それでもいい。
先輩のお姫様が現れるまで、傍にいさせてください。
そんな、人気者の先輩と都合よく使われている気もしないでもないでも甘やかされてはいる後輩のすれ違い気味の恋のお話。
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