命の糸

「私は生きていていいんだと、教えてください」

私はなんで生きてるんだろう。
生きることが、こんなにも苦しいなんて。

だけど、たった一人だけ。
私を救ってくれるかもしれない人がいる。
いつか、あの人が。
雨雲のように暗く重い闇に包まれたこの日常から、私を逃してくれるかもしれない。



少女が向き合う絶望に彩られた現実と、祈りにも似た微かな希望。

梅雨の明けた、真夏日の午後。
儚い命の糸は、紡がれるその時を静かに待っていた。



イラスト:まかろんK様(@macaronk1120)
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