ラブストーリーの片隅に切り捨てられた私達
母と私はずっと父に冷遇されてきた。父と目が合った事もなければ笑った顔もみた事はない。私達を存在しないもののように扱い続けた父はある日、突然失踪した。原因は分からない。
その日から生活の全てが変わった。
生家に戻った母は、母の継母によって追い返され、私達に帰る場所はなくなった。しかし、落胆する私を見た母は旅をしながら穏やかに暮らせる場所を探す事を提案する。
ようやく落ち着ける場所も見つかり、平穏に暮らす私達はとても幸せだった。
しかしそんな幸せは、ある時見知らぬ誰かから届けられた一冊の本によって壊されていく。
父の名前で書かれたその本の内容は父自身の体験を元に書かかれた恋愛小説だったのだ。感動のラブストーリーとして世間で話題の小説になっていたのだ。
母はその小説の中で、二人の純愛を引き裂く悪役令嬢として登場していた。まったくの事実無根のひどい内容だった。
本の最後には見知らぬ女性と、その女性が抱いている生まれたばかりの幼い子、そうして二人に幸せそうに笑いかける父の写真が載っている。失踪の理由はその女性との駆け落ちだったと理解した。その瞬間、心の底から父を恨んだ。
それ以来私は小説の存在を母に隠し続けた。
しかし、ある時見知らぬ誰かの手でその本は母の元に届けられてしまう。
その日から顔の見えない誰かからの嫌がらせが続く。母はしだいに壊れていき、決定的な出来事が
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