加護なし勇者
【残酷表現あり】
遥か昔
突然に舞い降りた魔王によって、世界は一夜にして支配された
魔王の器を持つ人格者が現れた途端に近辺が魔界と化し、魔王軍は近くの村々から徐々に侵略していった
世界のすべてを侵略したわけではないが、侵略の届かない場所でさえ、魔王の息のかかった魔物が大陸大海に現れ人間たちを脅かしていった
しかし、人間側もそれに抗うべく神からの加護を強く受けた『勇者』を旅立たせ魔王を倒した
魔王は勇者に倒され、世界に再び平和が訪れ、その数百年後に新たな魔王が生まれる
その度に勇者が生まれて、その繰り返しが今に続く
そんな世界のある辺鄙な村の冬
雪の降り積もる寒い夜に、小さく尊い命が芽吹く
子供を授かることが叶ったこの家族はその日の寒さをも打ち消すほどに喜んだが、子供の様子を見て言葉を失った
授かった子供が、【忌み子】だったからだ
【忌み子】―はるか昔神に戦争を挑んで負けた一族の呪いを宿した悪魔の子
産まれた瞬間から例外なくどの病気の症状にも類似しない障害を持っており、血縁の関わりは見られないという
左腕には黒バラのような紋様がついているという共通点があり、寿命をまっとうするまでに街一つ滅ぶほどの厄災を呼ぶと言い伝えられている
誰がどうやって世界に広められたのかを知る者は居ない。厄災を見たものも、居ないのだから
そんな子供を生んでしまったその親は、初めて出来た子供を手放す選択を選べず、忌み子を隠し育て上げた
そして、ついに大人になり、神の加護を持つ幼馴染みの勇者と共に魔王討伐の旅へ出させたのだが、この時代は勇者側が破れ次の勇者が現れるまで魔王が生き残ったとされている
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その度に勇者が生まれて、その繰り返しが今に続く
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