シリーズ、世にも得体の知れない物語②
『誕生日、出産祝い・両親揃っての初メッセージ記念日(妻:〇〇、夫:□□子供の名前は別途記載されています)』という文面の下に、二人の名前に被せるようにして私達の娘であろう名前が書かれていた。私はそこに書かれた文字を読んで、驚いた。それは、私達が付けた娘の名前の由来と同じものだったからだ。私は驚いて父親を見る。父親は得意気に言うのだ。
「どうやらこのスマートフォンには人工知能が搭載されているらしいぜ。その証拠に、親である自分達が名づけた子供の誕生日や出産祝いの文章が表示されるんだ」
それを聞いた私は「はは」と笑ってしまった。
「またそんなこと言い出して、さすがに無理があるわ。お父さんの会社にはそんな最新技術があるのかもしれないけど、いくらなんでもそこまでは」
だが、そこでふと違和感を抱く。先ほどから父と私の会話が全く噛み合っていないような気がするのだ。
「ねぇお父さん、その画面見せてくれる?」と尋ねるが返事がない。見ると、彼は自分の胸をぎゅっと掴んでいた。そして苦し気な声を上げる。
「苦しい……死ぬ……死にたくない……助けてくれ……お願い……だ……」
慌てて駆け寄ろうとする私の手を、彼の手が握り締める。「駄目……だ……」
その手を伝うように、ぽたり、またひとつ。
「俺は……まだ……死んだ……くない……死んでたまるか……こんなところで……死にたく……な……」言葉は途中で消え入る。「父さん……!?父さん!?何があったんだ!!返事をしてくれ!!」と叫んでも反応が無い。「どうして!?」と叫んでみてもそれは同じことだった。ただ父が握った私の手だけが、氷のように冷たくなるばかりだった。
それからしばらくしてから私は気がつく。
「どうやらこのスマートフォンには人工知能が搭載されているらしいぜ。その証拠に、親である自分達が名づけた子供の誕生日や出産祝いの文章が表示されるんだ」
それを聞いた私は「はは」と笑ってしまった。
「またそんなこと言い出して、さすがに無理があるわ。お父さんの会社にはそんな最新技術があるのかもしれないけど、いくらなんでもそこまでは」
だが、そこでふと違和感を抱く。先ほどから父と私の会話が全く噛み合っていないような気がするのだ。
「ねぇお父さん、その画面見せてくれる?」と尋ねるが返事がない。見ると、彼は自分の胸をぎゅっと掴んでいた。そして苦し気な声を上げる。
「苦しい……死ぬ……死にたくない……助けてくれ……お願い……だ……」
慌てて駆け寄ろうとする私の手を、彼の手が握り締める。「駄目……だ……」
その手を伝うように、ぽたり、またひとつ。
「俺は……まだ……死んだ……くない……死んでたまるか……こんなところで……死にたく……な……」言葉は途中で消え入る。「父さん……!?父さん!?何があったんだ!!返事をしてくれ!!」と叫んでも反応が無い。「どうして!?」と叫んでみてもそれは同じことだった。ただ父が握った私の手だけが、氷のように冷たくなるばかりだった。
それからしばらくしてから私は気がつく。
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】私の出産日に初恋の人を選んだ夫、あなたを彼女に返品します
「子供っぽい嫉妬はやめろ」私が命懸けで出産した日、夫のヴィンセント侯爵は初恋の人の所へ行ってしまった。理由を説明して欲しいと言うと、子供っぽい嫉妬をやめろと厳しい声で言われてしまう。しかも初恋の相手がいきなりやってきて「侯爵様は昔から私を命懸けで助けてくれるんです」と悪びれもせずに言い放った。妻よりも初恋相手を優先する夫は必要ないので私は夫を初恋相手へ返品した。すると生まれてから一度も人に頭を下げたことのないヴィンセントが、ボロボロになって私に頭を下げてきて⋯⋯。
あの夜、あなたがくれた大切な宝物~御曹司はどうしようもないくらい愛おしく狂おしく愛を囁く~【after story】
あの夜、あなたがくれた大切な宝物~御曹司はどうしようもないくらい愛おしく狂おしく愛を囁く~
のafter storyです。
よろしくお願い致しますm(_ _)m
終わりにします
「終わりにします」
その言葉とともに、侯爵令嬢シルヴィアは毒を飲んだ。
婚約者は妹を選び、父は妹だけを信じた。
誰にも必要とされなかった人生を終えたはずなのに、目を覚ますと三か月前へと時間は巻き戻っていた。
もう、誰かに愛されるためだけに生きるのはやめよう。
そう決めた彼女は、静かに運命を書き換えていく。
これは、一度死んだ少女が、自分自身の人生を取り戻すための物語。
【完結】仮面の夜に触れたひと
匿名の招待状に導かれ、私は一夜限りの仮面舞踏会へ足を踏み入れた。
仮面に守られた素顔のない夜、そこで出会った名も知らぬ男と、私は互いの過去も立場も伏せたまま、抗えない引力に身を委ねる。
「今夜だけ」——そう約束したはずの関係は、夜明けとともに終わった。
しかし、彼の声、仕草、触れた感触は、日常へ戻った私の心から消えることはなかった。
数日後、仕事の場で再会した一人の男性。
仮面を外したその声に、私は確信する。
あの夜の男は、決して“過去”にはならない。
名前を呼ばず、素性を語らず、ただ感情と身体だけを重ねる密会。
惹かれ合うほどに増していく不安と疑念。
彼は何者なのか。
そして、私は彼に何を隠しているのか。
やがて明かされる彼の正体と、私自身の秘密。
仮面の下に隠されていたのは、欲望だけではなく、社会的立場と危うい選択だった。
再び訪れる仮面の夜。
真実を知った二人は、それでもなお互いを求め合うのか。
仮面を外した先にあるのは、破滅か、それとも未来か——。
【完結】結婚式前~婚約者の王太子に「最愛の女が別にいるので、お前を愛することはない」と言われました~
挙式が迫るなか婚約者の王太子に「結婚しても俺の最愛の女は別にいる。お前を愛することはない」とはっきり言い切られた公爵令嬢アデル。しかしどんなに婚約者としてないがしろにされても女性としての誇りを傷つけられても彼女は平気だった。なぜなら大切な「心の拠り所」があるから……。しかし、王立学園の卒業ダンスパーティーの夜、アデルはかつてない、世にも酷い仕打ちを受けるのだった―― ※神視点。■なろうにも別タイトルで重複投稿←【ジャンル日間4位】。
遠回りな恋〜私の恋心を弄ぶ悪い男〜
瀬川真冬は、高校時代の同級生である一ノ瀬玲央が好きだった。
でも玲央の彼女となる女の子は、いつだって真冬の友人で、真冬は選ばれない。
就活で内定を決めた本命の会社を蹴って、最終的には玲央の父が経営する会社へ就職をする。
そこには玲央がいる。
それなのに、私は玲央に選ばれない……
そんなある日、玲央の出張に付き合うことになり、二人の恋が動き出す。
瀬川真冬 25歳
一ノ瀬玲央 25歳
ベリーズカフェからの作品転載分を若干修正しております。
表紙は簡単表紙メーカーにて作成。
アルファポリス公開日 2024/10/21
作品の無断転載はご遠慮ください。