「代筆しか能のない女は要らない」と婚約破棄されました――最後の一通を自分の名で送ったら、隣国の王弟殿下が迎えに来ました
「代筆しか能のない女は、王太子妃には不要だ」
七年間、婚約者である王太子ギデオンに代わり、隣国との国書を書き続けてきた侯爵令嬢リリア。戦争を止め、街道を開き、民を飢えから救った手紙は、すべてギデオンの名で送られていた。
しかし和平成立を祝う夜、ギデオンは華やかな伯爵令嬢を妃にすると宣言し、地味なリリアとの婚約を破棄する。
望まれたとおり身を引いたリリアは、隣国の交渉役へ最後の一通を送った。
――今まであなたへ手紙を書いていたのは、私でした。
返事は来ないと思っていた。ところが十日後、隣国の王弟マティアスが王宮へ現れる。
「七年間、あなたを捜していました。今度はどうか、あなた自身の名前で返事をください」
これは、誰かの影として言葉を奪われてきた令嬢が、自分の名前と恋を取り戻す物語。
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