妹に婚約者を譲りましたので、契約の更新はいたしません
「お姉様は、魔力が高いだけで、可愛げがないもの」
妹はそう言って、わたくしの婚約者の腕を取りました。両親も止めませんでした。「シャルロットのほうが社交に向いている。譲りなさい」と。
わかりました。譲りますわ。
ただしお父様、婚約と一緒にお願いされた「魔力供給契約を残していけ」の件——あの契約、一年ごとに双方の署名で更新される決まりですのよ。領地の防護結界も、三十七の村の水路も、坑夫四百人の鉱山の換気も。
十六歳のわたくしが、自分で条文を書きましたの。いつか逃げられるように。
次の更新日は、来年の春分でございます。
……ええ、村と鉱山は守りますわ。各村と直接契約いたしますもの。
守らないのは、家だけですの。
妹はそう言って、わたくしの婚約者の腕を取りました。両親も止めませんでした。「シャルロットのほうが社交に向いている。譲りなさい」と。
わかりました。譲りますわ。
ただしお父様、婚約と一緒にお願いされた「魔力供給契約を残していけ」の件——あの契約、一年ごとに双方の署名で更新される決まりですのよ。領地の防護結界も、三十七の村の水路も、坑夫四百人の鉱山の換気も。
十六歳のわたくしが、自分で条文を書きましたの。いつか逃げられるように。
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