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生まれた時から、エリゼの声には強すぎる力が宿っていた。 赤子のころは泣くだけで窓を割り、家具を砕き、屋敷の壁に亀裂を走らせた。その力を恐れた家族と使用人たちは、彼女を遠ざけるようになる。 本来、エリゼの喉元には国へ届け出るべき印が現れていた。 それは呪いではなく、妖精の王の番に現れる祝福の印だった。 けれど誰も、それを見ようとしなかった。 五歳の時、エリゼは魔道士によって声を封じられる。以来、彼女は声を失ったまま、静かであれば安全な娘として屋敷に置かれ続けた。 そんなある夜、屋敷が襲撃され、幼い妹が炎の中に取り残される。封印に亀裂が入った瞬間、エリゼは初めて漏れ出した声に意思を乗せた。 「止まって」 その声は誰も壊さず、妹を救った。 そして喉元には、隠されていた妖精王の番印が現れる。 国に守られるはずだった少女と、封印越しに彼女を探し続けていた妖精の王。 恐れられ、奪われた声が、ようやく自分のものになる物語。 短めあらすじ 声に破壊の力を宿すとして恐れられ、五歳で声を封じられたエリゼ。けれど彼女の喉元にあったのは呪いではなく、妖精の王の番に現れる祝福の印だった。本来なら国に保護されるはずだった少女は、屋敷の襲撃をきっかけに封印の一部を破り、初めて自分の意思で声を使う。そして、彼女を探し続けていた妖精の王が現れる。
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