緋色の緞帳にくちづけを
真冬の夕暮れ、日銭を稼いだ帰り道、ナタリーは男たちに金を奪われた。
必死に取り返そうとした彼女は、誤って凍てつく川へと落ちてしまう。
遠のいていく意識の中、ナタリーを救ったのは一人の青年だった。
彼は凍えきったナタリーを自分の下宿へ連れて帰り、甲斐甲斐しく看病してくれた。
やがてすっかり元気を取り戻したナタリーは、自分にできる唯一の恩返しを彼にする。
――それから三年。
二十一歳になったナタリーは、父親が拵えた借金の肩として、悪徳高利貸しの手に売られてしまう。
娼館へ送られるはずだった彼女だが、粗末な身なりのせいで見すぼらしい少年と勘違いされ、辛くも娼館送りを免れることに。
その代わりに送り込まれたのは、王都に幾つかある劇場の一つ、バークレー劇場の楽屋だった。
ナタリーはナットという少年を装い、貧乏劇場の小間使いとして働くことになる。
バークレー劇場のオーナー、ジミー・シュバイツァーは、ハンサムな容姿とは裏腹にパトロンの女の意のまま。
しかし演劇のこととなれば我を忘れるほどの演劇馬鹿。厄介事を起こしては、劇場の者たちを振り回している。
そんなジミーに何かと苛立たされながらも、ナタリーはいつしか彼に惹かれていく。
やがて、劇場の主演女優に思わぬ危機が訪れたとき、ナタリーは男装を捨て、自ら舞台に立つことを決意する。
そこで初めて明かされる、ナットの本当の姿――。
思いがけず現れた一人の娘の才能に、劇場は大きく動き始める。
そしてナタリー自身もまた、舞台の上で新たな人生を歩み始めることになる。
三年前、凍てつく川から彼女を救った青年と、再び巡り会っていたことも知らぬまま――。
必死に取り返そうとした彼女は、誤って凍てつく川へと落ちてしまう。
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――それから三年。
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その代わりに送り込まれたのは、王都に幾つかある劇場の一つ、バークレー劇場の楽屋だった。
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そんなジミーに何かと苛立たされながらも、ナタリーはいつしか彼に惹かれていく。
やがて、劇場の主演女優に思わぬ危機が訪れたとき、ナタリーは男装を捨て、自ら舞台に立つことを決意する。
そこで初めて明かされる、ナットの本当の姿――。
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