真訳・アレンシアの魔女 上巻 マールの旅

 アレンシアで、一人の少女が目を覚ます。
 少女は人間にしては珍しい紅い髪と瞳を持ち、記憶を失っていた。
 しかも十日間滞在した町を滅ぼし、外で五日間行動をともにした相手を不幸にする。

 呪われた少女の名は、マール。

 アレンシアで唯一、魔法を使う事ができる存在。
 これは後に神として崇められる“魔女”の人生を綴った叙事詩である。
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