拝啓、婚約者様。ごきげんよう。そしてさようなら
公爵家を継ぐ予定の婚約者がいながら、だ。
クロエの婚約者、クライヴ・コンラッド公爵令息は、婚約が決まった時から一度も婚約者としての義務を果たしていない。
クライヴは、ずっと義妹のファンティーヌを優先するからだ。
「ファンティーヌが熱を出したから、出かけられない」
「ファンティーヌが行きたいと言っているから、エスコートは出来ない」
「ファンティーヌが」
「ファンティーヌが」
だからクロエは、学園卒業式のパーティーで顔を合わせたクライヴに、にっこりと微笑んで伝える。
「私のことはお気になさらず」
今更ながらに疑問が。
最初からクロエは、ルーベンス子爵令嬢と自分でも自己紹介していましたが、元婚約者には最後にルーベンス子爵と名乗りました。
子爵令嬢ということは子爵の娘に使う呼称であり、当主に使うものではないですよねぇ?
ずっとルーベンス子爵令嬢と言っていたのに、断罪の時に子爵ですと言われても「えっ令嬢って言ったじゃん」と思うのは当然だと。元婚約者が救いようのない阿呆だったことと、実は帝国の王女だったことで有耶無耶になりましたが、どうなんだろうと今更ながらに思いました。読者がそうだから当事者たちも今更ながらにそういえばと思うんじゃないかなぁと。
【妄想劇場】
メルキオールで罠パーティーの準備が始まった頃、アルトナー王国では……
「巫山戯るな!僕は公爵令息だぞ!!」
「いやよ!あんなとこ行きたくないわ!!」
クライヴとファンティーヌはあまりにも働かないので、女王の許可の上、男娼と女娼にそれぞれ送られることになった。
「「助けろ【て】ー!!」」
【妄想劇場〜犠牲者】
《それぞれの言い分》
ルノール公爵 & 犠牲者の父伯爵
「「事の前に、動転していたと言いますか……」」
宰相 & オーロラ
「「詳細な情報が私の所に来ておりませんでした」」
アリシア(代理でアルトナー王国女王)
「あの子、学院の成績は良かったのだけれど、政治的な思考が今ひとつでね。
お父様とお母様も、アリシアか皇后になるのに難色を示していたわね」
父王
「言い訳もできません……」
【妄想劇場〜犠牲者】
《全てが終わった後で》
「……以上が、事の顛末です」
クロエが父王の代理として、アルトナー王国へ事件の報告に来ていた。
外交官など、別の者でも良かったのだが、元婚約者の件もあり、クロエが来ることになった。
「陛下?どうしました?」
報告を聞き終えた女王は頭を抱えていた。
「クロエちゃん……。
例えばだけど、男爵が伯爵令息に ただの水 を無理矢理飲ませたらどうなる?」
「え?それは御家断絶の・・・あ!」
次期公爵の従者となれば、最低でも伯爵家の者でなくてはならない。
薬が入っていようがいまいが、キティ嬢のやらかしは、明らかな上位貴族に対する暴行罪である。
「証拠が掴めないって嘆いてたみたいだけど……。
そこから責めれば、男爵家に見張りを置く大義名分になったんじゃない?」
【妄想劇場】
父王「アリシア……アリシア……アリ…シア……(泣」
オーロラ「お父様、とうとうお母様に見限られたの?」
宰相「いえ、后陛下がツバメのヒナを飼い始めたそうで」
オーロラ「なるほど、ヒナをね」
宰相「はい、ヒナをです」
オーロラ「(おかしいのは)耳?」
宰相「耳ですねぇ」
〜〜その頃〜〜
ピヨ…ピヨ……
クロエ「はい、あーん♪きゃあ食べた食べた!!」
侍女「殿下、私にもやらせてください」
皇后「あげすぎないようにね」
【妄想劇場】
父王「だからね、直ぐにはどうにかできなくて……」
クロエ「お母様、10年をお望みみたいですよ」
皇后「しかたないわねぇ……若いツバメでも探そうかしら」
父王「やめてぇえぇえぇえ!!!」
ルーファス「流石に可哀想じゃないかな?」
オーロラ「あれでも甘い方よ」
【妄想劇場〜父王side】
「1ヶ月がいいですか?1年がいいですか?」
娘、クロエか言うには、期限無しで『オシオキ』が延長されてるらしい……
だが、レグディア男爵家の事はこちらにも情報は来ているものの、事は上位貴族にも及んでいるため、安易に承諾するわけには……
しかし、1年も延長なんて気が狂ってしまう!!
「2ヶ月がいいですか?2年がいいですか?」
伸びたー!!
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