一分に泣く者、一分に笑う者

 青年は薄れゆく意識の中で願いました。
 嗚呼、あと一分だけでも、ぼくが動くことができたなら。

 青年の願いが聞こえたのか、現れた魔女は言います。
 機会を与えましょう。掴み取るかは貴方次第。
 わたしは貴方の最期の抵抗を見届けることとしましょう。

 そうして、青年は運命を変えるための最後の機会を手にします。

 それは、大きな絶望と、小さな最期の幸せの始まり。
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