婚約破棄はお任せください。断罪の演出屋、今夜も令嬢の恨みを舞台にかけます
「持参金の話は、後にしよう」
その一言が出る瞬間、私は幕の裏で鏡を一寸だけ内へ向ける。灯りが揺れて令息の顔に影が落ちる。影があれば、人は何かを隠しているように見える。実際に隠しているのだから、手伝ってやるだけだ。
五年前、私は王宮の夜会で婚約者に断罪された。毒殺未遂の濡れ衣で家は爵位を失い、私は下町で照明と装飾の請負屋になった。表の仕事は夜会の飾りつけ。裏の仕事は、令嬢たちの婚約破棄を成立させる「断罪の演出」。
証拠は相手の口から出させる。観客を先に味方にする。逃げ道を一つだけ残す。三つの原則で今夜も依頼人の恨みを舞台にかける私のもとへ、灯りの本数を数えていた警備隊の副隊長が近づいてくる。
断罪される側だった女が、断罪を設計する側に回って、自分を断罪した筋書きの主に辿り着くまで。
その一言が出る瞬間、私は幕の裏で鏡を一寸だけ内へ向ける。灯りが揺れて令息の顔に影が落ちる。影があれば、人は何かを隠しているように見える。実際に隠しているのだから、手伝ってやるだけだ。
五年前、私は王宮の夜会で婚約者に断罪された。毒殺未遂の濡れ衣で家は爵位を失い、私は下町で照明と装飾の請負屋になった。表の仕事は夜会の飾りつけ。裏の仕事は、令嬢たちの婚約破棄を成立させる「断罪の演出」。
証拠は相手の口から出させる。観客を先に味方にする。逃げ道を一つだけ残す。三つの原則で今夜も依頼人の恨みを舞台にかける私のもとへ、灯りの本数を数えていた警備隊の副隊長が近づいてくる。
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