エルフの女性、生命の選択をする

 万物の生命を生み出す大樹、〈生命の樹〉のところへ、エルフの女性がやってきました。
 彼女は子供を欲していました。
 人間や動物たちが家族で暮らすさまを垣間見ては、赤ん坊を育てるのも悪くない、と思い立ったのです。
 かといって、腕力だけが強いオトコを頼みにして、子供を産む気にはなれなかった。
 だから、〈生命の樹〉から、子供を得ようと、今まで森の奥深くまで分け入ってきた。
 狙い通り、弓矢で〈生命の樹〉の実を落とし、殻を割って、同じエルフ族の赤ん坊を手に入れました。
 でも、男の子でした。
「男の子かぁ。できれば女の子が欲しいな……」
 次々と実を落とす女性エルフ。
 すると、〈生命の樹〉が一際白く輝き、幹の中から、人の姿をした存在が現われました。
 その存在は自らを「〈生命の樹〉の精霊」と称し、女性エルフに究極の選択をーー「生命の選択」をするよう、要求したのですーー。

※他サイトでも掲載しています。
 小説家になろうでは、ホラー短編作品集『あなたへ贈る異世界への招待。ただし、片道切符。あなたは行きますか?』の1作品 として掲載しています。
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