物証を集め、証言の矛盾を暴き、 「善意」や「事情」の奥に隠された責任を剥がしていく。 銀髪の鑑定士クゼ・ミラによる、異能×心理断罪ミステリー
「問題がなかったのではありません。問題が存在しない形へ、誰かが整えています」
銀髪の少女クゼ・ミラは、王立学院で物証鑑定を学ぶ学生である。
人の証言は揺らぐ。記録は書き換えられ、声を奪われた被害者は反論できない。それでも、傷ついた机、燃え残った留め具、切り取られた報告書は、そこで何が起きたのかを覚えている。
ミラの力は、犯人を見つけるためのものではない。
残された証拠を集め、証言の矛盾を暴き、罪が証明された時――黒い鏡が現れ、罪人の仮面を剥がす最後の鑑定《真貌剥離》が始まる。
学校を守るため、いじめを隠した教師。
娘を守るため、無実の他人へ罪を着せた父親。
村の生活を守るため、死者へ責任を押しつけた経営者。
見捨てられた者を救うため、他人の身体を寄付の代価にした神父。
彼らの善意も、愛情も、救った人々も、すべて本物だった。
ミラはそれを否定しない。
理解する。事情も認める。
それでも、犠牲にされた一人への責任だけは逃がさない。
これは、声を失った者に代わり、残された物から真実を拾い上げる物証鑑定士の事件録。
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