婚約者が競りに出した母の馬を、私は自分の手で連れ帰る
母が遺した牝馬・春星が、婚約者の名前で競りに出されていた。
出品書の同意欄には、マティルダが書いた覚えのない署名。婚約者のヴィクトル侯爵令息は悪びれもせずに笑い、家の借金を抱える父も彼の側に立つ。
「結婚すれば君のものは僕のものになる。今のうちに家計を整理して何が悪い?」
春星を取り戻すために駆けつけた王立競売場で、マティルダは顔なじみの馬医ノエルと再会する。春星を診た彼が告げたのは、軍馬として売ってはならない理由だった。春星は、仔を宿しているかもしれない。
「あなたの代わりに決めるつもりはないが、春星のことをあなたに隠すつもりもない」
夜明けには、春星は軍の買い手へ引き渡される。偽造された署名、母の遺言、家を追い出されても手放せないもの。マティルダは王立軍馬審査の場に、自分の足で立つ。
奪われた母の馬を、誰にも代わりに決めさせず、自分の手で連れ帰るまでの物語。
出品書の同意欄には、マティルダが書いた覚えのない署名。婚約者のヴィクトル侯爵令息は悪びれもせずに笑い、家の借金を抱える父も彼の側に立つ。
「結婚すれば君のものは僕のものになる。今のうちに家計を整理して何が悪い?」
春星を取り戻すために駆けつけた王立競売場で、マティルダは顔なじみの馬医ノエルと再会する。春星を診た彼が告げたのは、軍馬として売ってはならない理由だった。春星は、仔を宿しているかもしれない。
「あなたの代わりに決めるつもりはないが、春星のことをあなたに隠すつもりもない」
夜明けには、春星は軍の買い手へ引き渡される。偽造された署名、母の遺言、家を追い出されても手放せないもの。マティルダは王立軍馬審査の場に、自分の足で立つ。
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